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OPEN INNOVATIONコンソーシアム、始動。Creww・ビザスク・リンカーズの三社が仕掛ける新たな試み

Creww株式会社 取締役 水野智之


自社の有する経営資源や技術に頼るだけではなく、社外と連携することにより技術やノウハウ、アイデアを共有し、革新的なビジネスやサービスを共創していく「オープンイノベーション」。この市場を創ってきたパイオニアであるCrewwは、大企業が持つアセットとスタートアップの持つエッジの効いたアイデアを組み合わせることで新規事業を創出し、国内に大企業×スタートアップのイノベーションを生んできた。

同社と同じくオープンイノベーションを手がけるビザスク、リンカーズが協業し「OPEN INNOVATIONコンソーシアム」を2017年6月30日に創立し、話題を集めている。Creww取締役・水野智之氏は、「領域が異なる3社だからこそ実現できることがある。オープンイノベーション市場を創り上げた一人として責任を果たしたい」と語る。立ち上げの背景や、今後の展望について話を伺った。

「オープンイノベーション=マッチングではない」コンソーシアム立ち上げの裏にある想い

―― まずはCrewwが取り組んできたオープンイノベーションの概要をお聞かせいただけますでしょうか?
水野智之(以下、水野):Crewwは「オープンイノベーション」という概念が日本で認知されていない頃から「crewwコラボ」として大企業とスタートアップの取り組みを支援してきました。資金調達以外の手段でスタートアップが飛躍的に成長できる方法を考えた結果、大手企業が持つアセットとベンチャー企業の持つアイデアを組み合わせることだと考え、環境を整えながら事業を展開するうちに「オープンイノベーション」の概念も徐々に浸透してきたと思います。過去Crewwのプログラムに参加していただいた企業は100社を超えました。今年で5期目を迎え、ようやくマーケットになってきたところです。

―― そして今回、「OPEN INNOVATIONコンソーシアム(以下、コンソーシアム)」を立ち上げられました。その背景には、より広くマーケットを拡大しようという意図があるのでしょうか。
水野:もちろんそうした意図もありますが、Crewwの売上を伸ばすというよりは市場を正しく認知してもらいたいのが大きな理由です。マーケットが拡大するにつれ、「オープンイノベーション」がさまざまな意味合いで捉えられてしまうようになりました。

従来からCrewwが提供する「crewwコラボ」は、企業が持つリソースを組み合わせることによってイノベーションを起こすことをゴールに掲げています。スタートアップは飛躍的な成長を遂げ、大手企業は新規事業を創出することが目的です。しかしながら、現在は「オープンイノベーション=マッチング」と捉えているプレーヤーが非常に多い。実利を生み出さなければただの異業種交流会と変わらず、本末転倒になってしまいます。

―― 市場が成長したことによって生じた「オープンイノベーション」の歪んだ意味に対し、本来の意味をしっかりと伝え直そうということですね。
水野:「オープンイノベーション=マッチング」の認知が広がると、日本にとっては大きな損失になります。プレーヤー全員が高いクオリティで機会を提供できなければ、成功体験を得ないままオープンイノベーションに挑戦することをやめてしまう企業が増えてしまうからです。海外では協業によって実利を生むビジネスモデルが主流になっています。「市場を創ってきた第一人者としての責任を果たそう」との想いから、コンソーシアムを立ち上げました。

領域が異なる3社で協業。目的は“正しい認知”と“日本への貢献”

―― 立ち上げにあたり、ビザスクとリンカーズの2社と協業した意図を教えていただけますか?
水野:大上段にあるのは、「市場を正しく認知してもらう」という想いが一致しているからです。売上を上げるよりも前に、日本の企業にとって価値を提供できるかどうかが重要です。2社ともに同じビジョンを描けていたことが協業の決め手になりましたね。

また、海外と日本ではオープンイノベーションの目的も手段も異なるため、日本企業に合った形でサービスを展開できるパートナーとして2社に協業していただきました。日本はこれまで0から1を創出するビジネスモデルで世界をリードしてきた国。しかし、現在は外資系企業の下請けになっていたり、と、既存事業から脱却できないケースが増えています。Crewwはスタートアップと大企業をつなぐ架け橋であり、ビザスクさんが展開するスポットコンサルは人を提供することでサービスの成長を加速させます。リンカーズさんは中小企業に特化したビジネスモデルです。目的は同じであっても、異なる3つのサービスを提供できれば多様なニーズに応えることができるのもコンソーシアムならではのメリットといえます。

―― 3社は競合他社としても捉えられそうですが、意見が食い違うことはないのでしょうか?
水野:目的が同じなので、特に問題が起こることはありません。Crewwに来た依頼であっても、ビザスクさんやリンカーズさんが得意とする領域であれば積極的に紹介しています。もちろん逆のパターンも然りです。

その際は情報を渡すだけではなく、しっかり依頼者のニーズを汲み取った上で最善のアプローチができるよう尽力しています。概念を正しく認知してもらい、お互いにとって、ひいては日本にとってより良いビジネスを生み出していくことが目的なので、その軸だけはブラさないよう徹底していますね。

―― 今後はコンソーシアムの運営側にも企業を募るのでしょうか?
水野:Crewwだけでは解決できない問題も今後出てくると思うので、想いを共有できる企業さんであればパートナーになっていただきたいです。これまで汲み取れなかったニーズを汲み取ることで国内におけるオープンイノベーションをより加速していければと思っています。

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コミュニティを創り出し、オープンイノベーションのプラットフォームへ

―― Crewwがこれまでに行ってきた事業がコンソーシアムに活きた機会はありましたか?
水野:コンソーシアムは設立間もないため、まだ実際に事業は動いていません。ただ、Crewwが培ってきたネットワークは確実に活きてくると思います。たとえば、過去のお客様に事例の紹介をしていただく予定です。

大手企業とスタートアップでは文化が全く異なるため、どうしても摩擦が生まれてしまうことがあります。経験があるからこそ分かる、想定トラブルを「crewwコラボ」を行った企業の方々に経験をシェアしていただくのです。「crewwコラボ」に参加してくださった方はCrewwの掲げるビジョンに共感していただいているため、たとえメリットがなくても健全なマーケットの育成に貢献しようと尽力してくださる。こうした関係が積み重なることで、現在は一種のコミュニティが形成されつつあります。

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―― それこそがまさにコンソーシアムを設立した目的でもあるわけですね?
水野:おっしゃる通りです。コンソーシアムは長期的な視点で運営をしていきますが、ある程度形になればCrewwが運営サイドにいなくてもいいのではないかと考えています。

オープンイノベーションに関する一定の理解やノウハウが蓄積されていけば、組織自体は縮小しても、解散してもいい。形にはこだわらず目的にコミットできるのが我々ベンチャーの強みかもしれません。

―― 今後よりサービスを充実させるための施策などはすでに検討されていますか?
水野:現在はホームページにてお問い合わせをいただき、コンソーシアムに期待することやご相談をヒアリングしている段階です。そうして蓄積した知見を反映させながら、今後は双方向でコミュニケーションが取れるプラットフォームにしていこうと考えています。

また、イベント、ミートアップ、勉強会などは積極的に行なっていく予定です。複数社が集まるコンソーシアムだからこそ提供できるコンテンツがあると思っています。それと今後コンソーシアムの運営に携わる会社が増えていくので、各社のサービスを連携させて一つの大きなオープンイノベーションに関するサービスの提供も、構想の一つとして考えています。

 
OPEN INNOVATIONコンソーシアム:https://creww.me/ja/open-innovation-consortium
 
ライター:オバラミツフミ
 

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4月25日(火)「オープンイノベーションカンファレンス2017」レポート【後編】

creww「オープンイノベーションカンファレンス2017」開催

オープンイノベーションカンファレンス2017の後半は、いよいよ「Creww Award 2017」の発表。これまでに実施したオープンイノベーションプログラムから生まれた大企業とスタートアップの取り組みから事前に7社を選考。当日はその中から最も優れた協業事例として、Creww Awardを受賞する1社を決定した。その様子をレポートとしてお届けしたい。

Creww Award 2017

オープンイノベーションカンファレンスの最後を締めくくるのは「Creww Award 2017」。 「成長性」「シナジー」「将来性」の3項目を基準に事前審査で選ばれた7社から、Crewwアワードを決定しました。プレゼンテーションは、協業したスタートアップ企業と大企業がペアになり行いました。まずは、事前審査を通過した7社を紹介していきます。

株式会社Z-Works × キヤノンマーケティングジャパン株式会社

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「Z-Works」と「キヤノンマーケティングジャパン」は“健康寿命を10年伸ばす!”をテーマに掲げ、Z-WorksのIoT介護支援システムをキヤノンマーケティングジャパンの販売網を通して拡販を狙い共同でZ-Worksの介護システムを広げるプロジェクトが進行中で、将来的にはキヤノンの持つ画像認識技術やカメラを通して、広く介護領域でのイノベーションを狙っていくと発表しました。

ドレミング株式会社 × 株式会社セブン銀行

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「ドレミング」と「セブン銀行」は、世界中の銀行口座を持たない低所得者などに向け、働いた分の給与を即払いするシステムを構築する共同プロジェクトを発表。ドレミングは働いた分の給与(手取額)で買い物ができる決済手段を開発、セブン銀行のリアルタイム振込などと連携し、働いた分の給与を即座に労働者が手に入れる仕組みを考案し、今後はグローバルでの展開を目指しています。

FacePeer株式会社 × 株式会社ケイ・オプティコム

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「FacePeer」と「ケイ・オプティコム」は、両者の強みを活かしたクラウド通訳サービスを共同で作り出しました。FacePeerはFaceHubというビデオチャットプラットフォームを構築しており、それをケイ・オプティコムが利用する形で、主婦らが参加するクラウドソーシングサービス「うるるBPO」も巻き込み、ビデオチャットを利用したクラウド通訳サービスを展開。インバウンド市場などを狙い全国へサービスを展開していきたい、と発表しました。

フューチャースタンダード株式会社 × オリックス・レンテック株式会社

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フューチャースタンダードは、安価になった小型カメラ等に向けたミドルウェアを開発し、画像解析技術によるサービスを提供するスタートアップで、レンタル事業からソリューションカンパニーを目指しているオリックス・レンテックと連携し、交通量調査や防犯を目的としたソリューション展開をするプロジェクトについて発表しました。

プログレス・テクノロジーズ株式会社 × 東京地下鉄株式会社

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プログレス・テクノロジーズと東京メトロでは、視覚障がい者に向けた安全を提供するプロジェクトを発表しました。プログレス・テクノロジーズは最新のテクノロジーを駆使し様々な機器の設計開発に携わるスタートアップで、その技術力を東京メトロのお客様の安心と安全に役立てたいと考え、協業が実現。視覚障がい者の持つスマートフォンなどのデバイスへ、AI・画像認識・ビーコン等を利用し、様々な情報を提供。危機回避を促しながら、道案内を行うことにより、視覚障がい者が安心してお出かけできる社会の実現を目指します。

LEAPMIND株式会社 × ジーエフケーマーケティングサービスジャパン株式会社

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「LEAPMIND」と「ジーエフケーマーケティングサービスジャパン」は、LEAPMINDの持つディープラーニング技術をマーケティングに応用し、BtoBのマーケティングサービスを立ち上げました。SNSに大量に投稿された画像を、LEAPMINDが得意としているディープラーニングで解析し、ユーザーの消費動向や商品の評価などを分析。これまでに無い新しいマーケティング情報を企業に提供していくことを目指しています。

株式会社Warrantee × 株式会社オートバックスセブン

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「Warrantee」と「オートバックスセブン」は、オートバックスセブンの顧客向け車両管理プロジェクトを発表。Warranteeは、家電などの保証書をクラウドで管理するアプリを開発しており、そこで培ったノウハウをオートバックスセブンと組み車両などにも活かしていく考えです。将来的には、アプリを利用するユーザーへ、保険のレコメンドやメンテナンス情報の提供、乗り換え時期の提案等を行えるようにしていきたいとのことでした 。

Creww Award 2017発表!

審査をするのは、経済産業省 経済産業政策局 新規産業室 新規事業調整官石井芳明氏、株式会社電通ビジネス・クリエーション・センター ポートフォリオ・マネジメント室長 久保田純一郎氏、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ ジェネラルパートナー、最高執行責任者(COO)今野穣氏の3名。全チームに票が割れ、審査は大変難航したといいます。

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そしてCreww Award 2017には、ドレミングアジアとセブン銀行のプロジェクト取り組みが選ばれました!

経済産業省石井氏は、「本アワードの選考基準である『成長性』『シナジー』『将来性』に優れていることと、グローバル展開におけるビジネスモデルとして魅力が高い取り組みであったことが決め手となった。いずれもすばらしいビジネスモデル。本日発表された皆さまには、ぜひオープンイノベーションのトップランナーとして飛躍してほしい」と締めくくりました。


Creww Award 2017 WINNER

ドレミング株式会社のcrewwページ

Creww Award 2017 FINALIST
株式会社Z-Worksのcrewwページ
FacePeer株式会社のcrewwページ
フューチャースタンダード株式会社のcrewwページ
プログレス・テクノロジーズ株式会社のcrewwページ
LEAPMIND株式会社のcrewwページ
株式会社Warranteeのcrewwページ


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4月25日(火)「オープンイノベーションカンファレンス2017」レポート【前編】

creww「オープンイノベーションカンファレンス2017」開催

スタートアップ・コミュニティーを運営するCreww株式会社が、スタートアップ企業と大企業によるオープンイノベーションの加速を目指したイベント「オープンイノベーションカンファレンス2017」を4月25日に開催した。当日は大企業で、スタートアップ企業との新規事業創出を担当する500名以上が参加。国内外から第一線で活躍するスピーカーを招聘し、会場は熱気につつまれた。creww magazineでは、その様子をいち早くお届けします。

オープニングスピーチ

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オープニングではCreww株式会社代表取締役 伊地知天が、近年高まりつつあるスタートアップx大企業のオープンイノベーションについて熱く解説。参加者へむけて、『こうしたイノベーションを生み出す人々が集るコミュニティーがcrewwの強み。これからもスタートアップとしてcrewwは高速でPDCAを回し、オープンイノベーションの実例を世に送り出したい』と参加者へのお礼に加え、自社の事業にかける想いを伝えました。

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Session1:大企業が捉えるオープンイノべーションの本質

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そして、有識者によるセッションがスタート。まずは、「Session1:大企業が捉えるオープンイノべーションの本質」と題して、神戸大学より大学院科学技術イノベーション研究科 尾教授、東京地下鉄株式会社より経営企画本部 企業価値創造部の小泉課長、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より総合企画本部 経営戦略部 新規ビジネス推進課 野間課長の3名が考えるオープンイノベーションの本質について、具体例を交えた話が繰り広げられました。

スタートアップと共同プロジェクトに取り組む中で「現状の課題からは見えてこない、新しいビジネスの挑戦こそがオープンイノベーションの本質」と語ります。

また、キヤノンマーケティングジャパンでは、コラボを機にスタートアップとの人材交流なども行っており、社内の人材育成にも一役買っているようでした。

Session2:今、必要とされるアクセラレーター

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Session2では「今、必要とされるアクセラレーター」として、TechStars(テックスターズ)のDon Burton(ドン・バートン)氏、オランダのアクセラレーター・Rockstart(ロックスタート)の創業者Oscar Kneppers(オスカー・ネッパーズ)氏と、crewwからTim Romero(ティム・ロメロ)と、CEOの伊地知天(いじちそらと)もセッションに参加し、熱い議論が繰り広げられました。

海外のアクセラレータプログラムの実例も交え「いきなりスタートアップと大きく組むのでなく、考えすぎずまずは小さな取り組みから初めて見る事が大切」「アメリカでは“実験なんだ”と認めることによって失敗しても良い文化がある。失敗したらピボットすればいい」等、日本でも通用しそうなメソッドも多く飛び出す貴重なセッションとなりました。

Session3:事例から読み解くオープンイノベーション

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最後のセッション「事例から読み解くオープンイノベーション」では、モデレーターに株式会社HEART CATCH代表取締役の西村真理子氏を迎え、セブン銀行常務執行役の松橋氏とドレミング株式会社CEO桑原氏による、協業事例を紹介しました。

オープンイノベーションの実現で最も重要なのは「やりたいメンバーを集め、権限を与え、短期間でやりきる」と強く語る松橋氏。「crewwコラボで本当にチャンスをもらった。新しい事業モデルだからマーケットがわかりにくい。そこに理解を示してくれたセブン銀行さんとだから前向きに進められている」とドレミングの桑原氏は松橋氏に感謝しつつ、今後のグローバル展開を目指す両者の熱い想いが語られました。

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「SENSORS IGNITION前夜祭」“起業家の挑戦”をテーマに4氏が本音を語る

「STARTUP IGNITION~起業家たちが挑戦し続ける理由」

日本テレビのテクノロジーエンタテイメント番組と連動した恒例の大型イベント「SENSORS IGNITION(センサーズイグニッション)2017」が虎ノ門ヒルズで行われた前夜、3月22日に初めてとなる前夜祭「STARTUP IGNITION(スタートアップイグニッション)」が開かれました。「起業家たちが挑戦し続ける理由」をテーマに、Synapse売却の背景や、Snapeeeの軌跡など、苦闘してきた細かな軌跡や失敗経験にまで踏み込みながら紹介する一方、登壇者からは自身の反省も踏まえた本音のアドバイスが飛び交う異例の展開。参加した約50人が興味深く聴き入りました。

 

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前夜祭の会場となった「虎ノ門ヒルズカフェ」

SENSORSが主催し、スタートアップ・コミュニティーを運営するcrewwが初めて企画した今回の前夜祭。満員となった会場の「虎ノ門ヒルズカフェ」では、参加者間のネットワーキングの場が提供される一方、メインイベントとして、3人の起業家にスタートアップメディアの運営者が聞き出すパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションで4氏が議論

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左から池田さん、山本さん、神尾さん、田村さん

「起業家たちが挑戦し続ける理由」のテーマで行われた今回のパネルディスカッションに登壇したのは次の4氏。

株式会社レレレの創業者で、現在は求人サイト「キャリコネ転職」「キャリコネ」などを運営する株式会社グローバルウェイで「グローバルウェイラボ」の室長をつとめる山本大策さん

写真共有サービス「Snapeee(スナッピー)」で知られる株式会社マインドパレットの共同創業者で、昨年10月に創業したジャクール(JaQool)株式会社の取締役として活躍する神尾隆昌さん

学生起業家としてモバキッズ(現シナプス株式会社)を創業し、2017年2月からは新たにDMM傘下としてオンラインサロン「Synapse(シナプス)」を運営する田村健太郎さん

起業家3氏に加え、モデレーターは「起業家と投資家を繋ぐ」をコンセプトとし、国内スタートアップを支援してきたスタートアップ・ブログメディア「THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)」の共同創業者である池田将さんがつとめました。

“失敗経験”など聞きづらいことも話す

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終始なごやかな、というより常に本音のトークが繰り広げられた

パネルディスカッションでは3人の起業家に対し、モデレーターの池田さんが「普段は聞きづらいことを聞いていくのが今夜のテーマ」と、これまでの“失敗経験”を引き出しながら過去の経歴と現在の事業概況を尋ねていきました。

グローバルウェイの山本大策さんが会社員時代に個人で作ったのは、コーヒー1杯を飲む時間を一緒に過ごしたい人と出会える「CoffeeMeeting(コーヒーミーティング)」。同サービスが高い評価を得たのを機に独立し、株式会社レレレとして、個人の時間を気軽に売買できるサービス「TimeTicket(タイムチケット)」もリリースしています。

初めに作ったCoffeeMeetingについて、「ユーザ数は今も多いのですが、マネタイズ面では失敗したかもしれません」と話す一方、「CoffeeMeetingでユーザさんの信頼が得られたことで、次に出したTimeTicketの利用につながっている」と明かしました。

現在はレレレをグローバルウェイに売却。社内でも独立的な存在である「グローバルウェイラボ」のチームを率い、新たな働き方に関する新サービス開発を進めている最中だといいます。「レレレ時代はすべてを一人でやってきたが、限界も感じた。今はあえて自分がやらないようにしている」と話します。

ジャクール(JaQool)株式会社取締役の神尾隆昌さんは、“アジア版インスタグラム”として1400万人以上のユーザを獲得して話題を呼んだ写真共有サービス「Snapeee(スナッピー)」の生みの親として知られます。しかし、2016年6月には会社を任意整理に踏み切ることに。

「投資家の方々には損をさせてしまったのに、温かく見守っていただき本当にありがたかった」と振り返る一方、「起業時に戦略がないままサービスのユーザビリティ向上ばかりを追求してしまい、結果としてマネタイズができず、それが敗因となった」と反省の弁を述べました。

現在は、ケンコーコムの元社長として知られる後藤玄利さんらとともに、モバイル翻訳サービスを展開するジャクールを2016年10月に新たに立ち上げ、海外からの訪日客に向けたサービスを急ピッチで開発している最中です。

シナプス株式会社の田村健太郎さんは、一橋大学経済学部在学時の2007年に起業し、2009年にはWeb漫画の投稿コミュニティサイト「MANGAROO」を立ち上げるなど、電子書籍関連のビジネスを展開。2012年に方向転換し、オンラインコミュニティを簡単に構築できるオンラインサロンプラットフォームの「Synapse(シナプス)」 をリリースしました。

元ライブドアの堀江貴文さんら著名人が愛用するなど、Synapseはオンラインサロンのパイオニアとして誰もが知る存在ですが、開始当初は苦労し、「2年くらいは売れなかったですね……」と田村さん。「堀江さんが使ったことで爆発的に伸びたので、堀江さんに足を向けて寝られない」と会場を沸かせました。

そんなSynapseの好調ぶりを見て戦いを挑んできたのは、あらゆる分野で次々と新規事業を立ち上げることで知られるDMM。2016年2月に「DMMオンラインサロン(DMMラウンジ)」を開始し、Synapseと真っ向から競合することになります。

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前夜祭の会場には多数の参加者が詰め掛けた

なぜ競合相手に会社を売ったのか

SynapseとDMMのオンラインサロン分野での戦いについて、モデレーターの池田さんが質問を連続。田村さんは「ある日、亀山さん(DMM創業者の亀山敬司さん)の代理という方が訪ねて来られまして」と明かしました。これがきっかけとなって、2017年2月のDMMへの会社売却につながります。

「2年くらい頑張ってDMMと戦い続ければ、向こうが諦めるでしょうから、そういう選択肢もあった」と話す一方、「でも、DMMと一緒にやったほうが結局はユーザのメリットが大きくなるのではないかと考えた」と売却の背景を明かしました。

「で、いい感じに売れたんですか」と突っ込む池田さんに対し、田村さんは「満足はしています」と答えました。

DMMとSynapseの話題を契機にサービスとユーザの関係に話がおよび、巨大サービスの「Snapeee」を停止した経験のある神尾さんは「ユーザのケアが何もできず本当につらかった」と振り返り、「10社くらいに興味を持ってもらい、譲渡を検討しましたが、若い女性向けということもあって緻密な運用が求められます。他社では難しいことが分かり、断念せざるを得なかった。人生の負い目として今も反省しています」と吐露。

一方、山本さんは「(エンジニアなので)自分で作ったサービスを閉じるのは難しい」といい、「やっぱり自分は起業家には向いてないかもしれません、たまたまリクルート勤務時代に作ったサービスが人気が出ただけ」と分析しました。

一歩を踏み出せば、失敗しても何とかなる

失敗や反省も含め過去の経験が今のチャレンジにどう生きているかを尋ねる池田さんに対し、「投資家の話を全部信用しないこと。特にメディアの方は投資家の話を持ち上げ過ぎですよね」と山本さんが言うと、投資家とスタートアップをつなぐメディア運営者である池田さんが「ついに私に反撃が来てしまいました。すみません・・・」と頭を下げ、会場が湧きました。

起業について田村さんは「失敗しても何とかなりますし、応援してくれる人もいっぱいいる。とにかくやってみた方がいい」とアドバイス。神尾さんも「背水の陣とか命がけとか投資担当者はそんな言葉をよく使いたがりますが、命なんてかけたらダメ。やり切ってからの失敗を糧に、次の起業で恩返しするくらいの心構えでいないと」と言います。

山本さんも「会社を作る必要もないし、とにかく作りたいものを作って出してみればいい。もっと気楽に考えてみていい。その一歩を踏み出すことが大事なんです」と連続起業の重要性や起業のエコシステムに関する提言が次々と飛び出し、パネルディスカッション後も登壇者にアドバイスを求める参加者が相次いでいました。

 

STARTUP IGNITION(スタートアップイグニッション)
SENSORS IGNITION 2016 注目スタートアップの先端技術が集結!(2016年レポート)

 


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オープンイノベーションの知を集結。crewwが4月25日(火)「オープンイノベーションカンファレンス2017」を初開催

creww「オープンイノベーションカンファレンス2017」

スタートアップと大手企業によるオープンイノベーションの知を集結−−−。約500名の参加者を前に、日本におけるオープンイノベーションの本質を豊富な事例をもとにその実態を紹介します。また、多数のスタートアップを成長させ、イグジットに導いてきた海外の著名アクセラレーターを招き、日本での革新的な新ビジネス創出に必要な“解”を探っていきます。

オープンイノベーションの祭典として「オープンイノベーションカンファレンス」を開催

スタートアップと大手企業によるオープンイノベーションの集大成として、crewwは、創業以来初めてとなる大型イベント「オープンイノベーションカンファレンス(Open Innovation Conference)2017」を4月25日(火)の午後に虎ノ門ヒルズで開催します。

現在、日本国内には約5000社のスタートアップ企業が存在すると言われています。crewwは日本が再び世界のリーダーとなるうえで不可欠なのが、スタートアップ企業の先進的な発想や技術を事業とするために、大企業の豊富な経験やインフラを組み合わせることだと考えています。

それは、昨年(2016年)国が初めて主導する形でまとめた「オープンイノベーション白書」にも表れており、スタートアップのユニークな事業と大企業のリソースを組み合わせる「オープンイノベーション」によって、社会に影響を与えうる革新的なビジネス創出が期待できるとしています。

まさにcrewwでは2012年の創業以来、オープンイノベーションの重要性を訴え続け、これまでに大手企業80社以上のオープンイノベーション・プログラムを実施し、スタートアップと大企業のパートナーとして両社をつなげる役割を担ってきました。

今回のカンファレンスでは、crewwが約5年にわたって行ってきたオープンイノベーションの集大成として、「スタートアップと大企業による新規事業創出の最前線」とのテーマを設定。3つのセッションとアワードを通じ、オープンイノベーションの実態と成果を国内外に広く共有するとともに、米国などからも著名アクセラレーターを招聘。世界の最新動向をあわせて知ることにより、日本におけるオープンイノベーションをさらに加速させます。

メインセッションでは「日本を代表する大手3社が踏み出した理由」を解き明かしていきます。
【Session1:大企業が捉えるオープンイノベーションの本質】

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当日行われる3つのセッションのうち、14時50分からのセッション1では、「大企業が捉えるオープンイノベーションの本質~なぜ我々がオープンイノベーションに取り組んだのか」と題し、Crewwのプラットフォームを通じてオープンイノベーションを実施した東京地下鉄(東京メトロ)とキヤノンマーケティングジャパンのプログラム責任者者が登壇します。

日本を代表する巨大鉄道会社である東京メトロや、グループ全体で約19万人の社員を要するキヤノングループのキヤノンマーケティングジャパン、両社がどのようにオープンイノベーションを成功に導いたのかを解き明かしていきます。

神戸大学の大学院科学技術イノベーション研究科で教授をつとめる尾崎弘之氏がモデレーターとなり、超大手ともいえる2社がオープンイノベーションに踏み出した背景と、社内での環境醸成をどのように行ったのかなどについて、その実態に踏み込んでいく貴重な機会となる予定です。

海外の著名アクセラレーターにCEO伊地知天が迫る
【Session2:今、必要とされるアクセラレーター】

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続く15時40分からのセッション2「今、必要とされるアクセラレーター~オープンイノベーションの実現に向けて」では、全米有数のアクセラレーターであるTechStars(テックスターズ)を経て、現在は教育テクノロジー関連アクセラレーターとして活躍するDon Burton(ドン・バートン)氏をはじめ、オランダのアクセラレーター・Rockstart(ロックスタート)の創業者であるOscar Kneppers(オスカー・ネッパーズ)氏が登壇。さらに、日本での連続起業家として豊富な経験を持つTim Romero(ティム・ロメロ)氏や、crewwのCEOである伊地知天(いじちそらと)も議論に参加し、まさに本テーマの最前線にいる4氏が世界におけるオープンイノベーションの現状に迫ります。

日本と比べ、オープンイノベーションのエコシステムが構築されていると言われる米国などの地で、大手企業とスタートアップがそれぞれどのような役割を担い、革新的なビジネスが生み出されているのか。スタートアップにも大手企業の側にも、大きな参考となる最新トレンドに迫ります。

セブン銀行とドレミングの事例から、協業成功へ導く有効な手法と秘訣も公開
【Session3:事例から読み解くオープンイノベーション】

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3つ目の16時50分に開始するセッション3「事例から読み解くオープンイノベーション」では、世界の貧困格差を減らすプラットフォーム事業を展開する2015年創業のドレミング株式会社(福岡市中央区)とセブン銀行(東京都千代田区)による協業事例を紹介します。
両者のオープンイノベーションによる新規ビジネスの詳細や秘話は、この場で初公開となる注目のセッションです。

2万3000台のATMを24時間365日無休で展開するなど、これまでもパートナー企業と革新・改善を積み重ねきたというセブン銀行が行ったオープンイノベーションでは、次世代ATMを活用した新展開として、ドレミングと協業。実際にサービス開発にまで踏み出しています。この春発表予定の協業内容についても深く知ることができます。

セッションでは、今回のオープンイノベーションを担当したセブン銀行の松橋正明常務執行役員と、ドレミングの桑原広充CEOに加え、HEART CATCH(ハートキャッチ)の西村真理子代表取締役がモデレーターとして参加。スタートアップと大企業の協業どのように実現したのかについて、その手法と秘訣を解き明かすとともに、協業によるサービス開発の現状まで踏み込むことで、オープンイノベーションにおける“ゴール像”を考えていきます。

経産省の石井氏らを交え、事例から選ぶ「crewwアワード2017」
【Creww Award 2017】
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これまでcrewwが行った80社以上のオープンイノベーションプログラムから、協業へと進んだ7の事例を選び、さらにこのなかから1チーム(スタートアップと大企業)を大賞として選出する初めての企画「crewwアワード2017」は17時35分にスタートします。

経済産業省から経済産業政策局 新規産業室 新規事業調整官の石井芳明氏をはじめ、グロービス・キャピタル・パートナーズ ジェネラルパートナー COOの今野穣氏、電通ビジネス・クリエーション・センター ポートフォリオ・マネジメント室長の久保田純一郎氏が審査委員となり、事業の成長性やシナジー、将来性という3つの観点から客観的な目で選考が行われる予定です。一般的に公開することが困難な協業事例が多いなかで、オープンイノベーションの“手本”となるような事例はどのような内容だったのか。スタートアップと大企業がペアになり、この場で初めてプレゼンテーションをします。

19時からは第二部としてアフターパーティーが予定されており、crewwが厳選したスタートアップ約40社による展示ブースを設けることで、カンファレンス参加者が大手企業との協業に積極的なスタートアップを知る機会となっています。

カンファレンスへの参加費は8,500円(同時通訳レシーバーレンタルの場合8,900円)で定員は500名。時間は14時30分から21時までを予定しています。チケットは「EventRegist(イベントレジスト)」で取り扱っており、定員に達した時点で締め切りとなります。

 

creww「オープンイノベーションカンファレンス2017」のチケット購入はこちら
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creww最多となる138件のエントリー 東京メトロのプログラムで3件を採択

creww(クルー)史上最多の138件のスタートアップが参加――。東京メトロ(東京地下鉄株式会社)がcrewwと2016年10月から始めたオープンイノベーションプログラム「Tokyo Metro Accelerator 2016(東京メトロアクセラレーター2016)」では、crewwのプログラムで過去最多となる138件のスタートアップがエントリーし、12月15日に2次審査を通過した6件が最終のプレゼンテーションに臨みました。協議時間が予定よりオーバーするなど、最後まで選考委員が悩み抜いた末に選んだ3件とは。

138件から選ばれた6件が最終プレゼンに臨む

Tokyo Metro Accelerator 2016は、crewwに登録するスタートアップとともに「東京の更なる発展に寄与する新しい価値」(同社)を創り出そうという東京メトロでは初の試みです。10月31日から11月9日にかけて、ローンチの有無や短期的な収益性の考慮も不要という条件でスタートアップからのエントリーを広く受け付けました。

1次審査で138件から33件が選ばれ、さらに2次審査を経て、都内六本木で最後となる公開プレゼンテーションを開催。最終プレゼンテーションまで残ったのは次の6社です。

・株式会社LOCUS(ローカス=東京都渋谷区、瀧良太社長):テンプレート型動画サービス「FastVideo(ファストビデオ)

・プログレス・テクノロジーズ株式会社(東京都江東区、中山岳人社長):視覚障がい者向けナビゲーションシステム「AI CAMERA(エーアイカメラ)

・株式会社ナイトレイ(東京都渋谷区、石川豊社長):訪日外国人解析サービス「inbound insight(インバウンドインサイト)

・株式会社ログバー(東京都渋谷区、吉田卓郎社長):インターネットを介さない音声翻訳サービス「ili(イリー)

・株式会社Tadaku(タダク=東京都品川区、石川俊祐社長):外国人が教える家庭料理教室「Tadaku

・Qrio株式会社(キュリオ=東京都渋谷区、西條晋一社長):モノとスマホをつなげるアクセサリー「Qrio Smart Tag(キュリオスマートタグ)

ユニークさと将来性、インパクトで3社を選ぶ

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採択された3社と東京メトロの奥義光社長(右)、審査委員長の髙山専務取締役(左)

最終プレゼンテーションでは、7名の審査員やマスコミ各社をはじめ、東京メトロの経営層や、自らが担当したスタートアップを応援する立場で訪れた若手・中堅社員などが見守る会場で行われました。

外部審査員として招かれた五嶋一人氏(株式会社iSGSインベストメントワークス社長)や麻生要一氏(株式会社リクルートホールディングスMedia Technology Lab.代表)らから時に厳しい質問も飛び出すなか、6社はそれぞれ15分間のプレゼンテーションと質疑応答を終了。

その後に行われた審査協議は、7人の委員による激しい議論が行われ、予定時間を過ぎても終わらないほどに白熱。予定より遅れて始まった結果発表では、審査委員長をつとめた東京メトロの髙山輝夫専務取締役から「ユニークさや将来性、インパクトを考え抜いて選んだ」と述べ、プログレス・テクノロジーズとログバー、Tadakuの3社に決まったことが報告されました。

視覚障がい者と訪日客に向けた先進デバイス

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プログレス・テクノロジーズの中山岳人社長(左)

今回のプログラムに採択されたプログレス・テクノロジーズは、視覚障がい者向けに骨電動デバイス「ShikAI(しかい)」の開発に取り組んでおり、AI(人工知能)を使った物体認識とビーコン(Beacon=位置情報伝達)を活用することで、駅構内を安心して歩ける環境にしたいと提案。

「世の中を変えていくパワーを持っている」(同社を推薦した東京メトロの担当社員)という将来性と技術力が審査員に評価されました。プログレス・テクノロジーズの中山岳人社長は「視覚障がいを持つ方々のため、さらに開発に注力していきたい」と採択されたことに喜びを表しました。

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ログバーの山崎代表取締役兼COO(左)

また、ログバーは、指輪型のウェアラブルデバイス「Ring(リング)」で知られる話題のスタートアップです。そうした経験を生かした音声翻訳デバイス「ili(イリー)」は、インターネット環境がなくても翻訳が行えるデバイスを開発。これを活用し外国人旅行者の多い駅構内で実証実験を行いたいと提案しました。

「言葉の壁がなくなる時代をともに創りたい」(同社を推薦した東京メトロの担当社員)という先進性と、「場所を選ばず、タイムラグのないコミュニケーションがとれる高い技術」(審査委員会)が評価されての採択となりました。ログバーの山崎貴之代表取締役兼COOは「東京を変えていく機会にしたい」と意気込んでいます。

「シェアリングエコノミー」サービスも採択

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Tadakuの須佐取締役(左)

一方、Tadaku(タダク)は、日本に住む外国人の自宅で世界各国の料理を学ぶ同名のマッチングサービスを展開しており、同社が持つ外国人ネットワークを活用して「東京メトロの沿線で、スタンプラリーを行うなど文化を学びながら“世界一周”ができるイベントを企画したい」と提案。

「シェアリングエコノミー(モノやサービスを個人間でやり取りする共有経済)としてのユニークさ、地域との共生とインバウンドのお客様に対するサービスの新規性」(審査委員会)が評価されて採択されました。採択後に行われた報道関係者向けのインタビューで須佐宇司(ひろし)取締役は「シェアリングエコノミーという観点で、東京メトロさんと何ができるのかをさらに詰めていきたい」と今後に向けての抱負を語りました。

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オープンイノベーションプログラムは「充実した時間だった」と振り返る東京メトロの奥社長

今回のオープンイノベーションプログラムについて、東京メトロの奥義光社長は「まだまだ(自社で)できることがあると知ることができ、充実した時間でした。また、スタートアップの方の知恵や力を借りれば色んなことが実現できると感じた社員たちの目の輝きが変わっていき、意義深かった。今回、提案いただいたスタートアップの方々とつながりを今後も大切にしたい」と締めくくりました。

なお、最終プレゼンテーションの結果、惜しくも選ばれなかった3社には、「東京メトロ24時間券」が各社100枚ずつ贈られました。

 

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「スタートアップと数十億規模の事業を」 国際航業がデモデイを開催

空間情報コンサルティングを事業の柱に据える国際航業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:土方聡)は、2015年11月に初めて実施した第一回国際航業crewwコラボの現状を報告と、次年度の概要について説明する「crewwコラボ2015 デモデイ&2016オリエンテーション」を東京・渋谷のイベント&コミュニティスペース「dots.」で7月21日夜に初めて開催。スタートアップや大手企業の担当者ら100人以上が参加し、リアルの場でコミュニケーションをはかる絶好の機会となりました。

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会場には100人以上が詰め掛けました

初コラボに予想を上回る数の会社・団体が応募

グリーン・コミュニティの実現を目指す日本アジアグループ傘下の国際航業は、空間情報コンサルティング事業を展開する1947年(昭和22)創業の老舗企業。まちづくりに携わる人々に高い知名度を誇り、多数の官公庁や民間企業を顧客に持っています。

いわゆる「BtoB」「BtoG(官公庁)」として知られる企業ですが、2015年11月に新たな事業展開を目指し、crewwを利用したオープンイノベーションを実施。多彩なスタートアップからの応募を得て、このうち8社とコラボを進めているところです。

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コラボへの期待を語る国際航業の土方聡社長

イベントでは、国際航業の土方聡社長が「2020年の先に向かって、スタートアップの方々と数十億規模の事業を一緒に作っていきたい」と意気込みを熱く語りました。続いて、Creww株式会社の代表取締役である伊地知天(いじちそらと)は「大企業とスタートアップの利害が一致するマッチングを成功させるためにcrewwが間に立ち、両者の成長を加速させていく」とあいさつ。

その後、2015年のオープンイノベーションに参加後に国際航業とのコラボを進めているスタートアップ8社・団体が現在の事業やコラボの進捗状況を発表しました。

高齢者の「未病」対策にアプリを活用

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レイ・フロンティアの澤田典宏取締役COO

最初に登壇したのは、行動情報を可視化する「SilentLog Analytics(サイレントログ・アナリティクス)」を展開するレイ・フロンティア株式会社(東京都江戸川区)です。人工知能などを活用してリアルタイムで人々の行動を分析が可能で、大地震などの有事の際に意思決定にも役立つといいます。国際航業のコラボでは、アプリを立ち上げているだけで行動が自動で記録される「SilentLogアプリ」を活用し、高齢者の未病対策に取り組んだ例が報告されました。

「最初はすぐに止めてしまうなどの問題はあったが、アプリを使った高齢者の6割が歩数増につながった。人気のゲームアプリ『ポケモンGO』と似ていて、外へ出て歩くので健康につながる」と澤田典宏取締役COOは話します。

国際航業新規事業開発本部の藤原康史さんは「当社ではこれまで災害に強いまちづくりや低炭素社会づくりに取り組んできましたが、近年は超高齢化社会に対応するため、高齢者が地域において健康で活動的に暮らせる新しいまちづくりを検討していたところにレイ・フロンティアさんから応募があった。まさに我が意を得たり、だった」とコラボにいたった経緯を紹介しました。

地方自治体のWi-Fiをアプリでつなぐ

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タウンWiFiの荻田剛大社長

続いて壇上に上がったのは、街中の無料Wi-Fiに自動接続してくれるアプリ「タウンWiFi」が人気を集めている株式会社タウンWiFi(東京都港区)です。

わずか2カ月間で90万ダウンロードを突破するなど支持が広がっており、荻田剛大社長は「Wi-Fi利用の比率を上げることで通信容量の制限から解放される。巷では“神アプリ”と呼ばれています」と紹介しました。

一方、地方自治体が各地で提供するWi-Fiサービスとの連携が次の課題となっており、官公庁に強い国際航業とのコラボにより、さらなる発展が期待されています。「現在、自治体との間に立っていただいており、感謝するばかりです」と荻田社長は言います。

国際航業の藤原さんは「タウンWiFiはユーザに便利であることはもちろん、管理者側にも有用なサービスが多く、各地での観光振興やまちづくりに活用してもらうために全国を一緒にまわっているところ」と話しました。

訪日観光客の行動分析が可能に

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ナイトレイの石川豊社長

株式会社ナイトレイはソーシャルメディア解析によって訪日外国人の観光行動を分析できる「inbound insight(インバウンドインサイト)」を展開しています。TwitterなどのSNS上に公開されている投稿内容をリアルタイムで解析。行動場所やクチコミ、国籍、性別、移動経路などを独自にデータベース化し、インバウンドマーケティングに必要となる裏付けデータを提供するサービスです。

国際航業とのコラボでも、データを軸に共同で商品開発などを行う予定だといいます。石川豊社長は「現在社内外を含めてニーズのヒアリングを進めながら、提案活動をしている」と話します。具体的には、自治体などに対する調査やコンサルティング業務をはじめ、国際航業が持つGIS(地理情報システム)データと連携して訪日外国人対策支援や共同レポート等のサービス開発を行っていく考えです。

国際航業の藤原さんは「まさにナイトレイさんはインバウンド観光によって地域活性化を進めている組織が求めているデータを持っている」とコラボにいたった理由を紹介しました。

可愛い支援ロボット「unibo」に期待

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ユニロボットの酒井拓社長

ユニロボット株式会社(東京都渋谷区)は、家族間の交流促進や生活を支援するとのコンセプトで生まれた人工知能を使った生活支援ロボット「unibo(ユニボ)」を展開しています。酒井拓社長は「まさに『ドラえもん』の世界観を実現しようという次世代型のソーシャルロボット」といい、2017年3月冬の発売に向けて開発が進展中です。

国際航業とのコラボでは、高齢者などに向けて、uniboを活用したセルフケアを支援するサービスを進めており、日常生活のリマインダーや、健康と食事の管理、日常会話や見守りなどを行う計画です。今後、国際航業と金沢大学、ユニロボットの3社による実証実験を行うことを検討していくといいます。

国際航業新規事業開発本部の長谷川浩司さんは「uniboは、とにかく可愛いと評判になっている。ユーザーに好まれることは、支援を目的とするツールにとって最も重要なポイント。」と、今後の開発への大きな期待を示しました。

競合も含めた貴重な購買データを収集

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BearTail(ベアテイル)の黒﨑賢一社長

全自動の家計簿アプリ「Dr.Wallet(ドクターウォレット)」が話題を集める株式会社BearTail(ベアテイル、東京都千代田区)は、スマートフォンのカメラで撮影されたレシート類を約2000名のオペレーターが手入力することで、高い精度の読み取り率を誇ります。これまで120万超のダウンロード数にいたったといいます。

利用ユーザごとにさまざまな実購買データを得られるのが特徴で、「たとえば、『Tポイント』だと加盟店内におけるデータしか収集できないが、Dr.Walletはコンビニなど世の中にあまり出回らないデータも集められる」と黒﨑賢一社長は話します。

国際航業とのコラボでは、同社が展開する電気料金プラン最適化サービス「エネがえる」との連携をはじめ、同社が持つ空間情報データと連携し、商圏分析サービスなどを展開していく考えです。

国際航業の長谷川さんは「BearTailさんのデータを見た弊社の役員が『これはすごい』と驚いていた。競合のデータも取れるのは貴重だ」と話しました。

話題の音声認識を使って観光地振興に

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アイコトバの田中謙二社長

スマートフォンに向かって特定のキーワードをしゃべるとクーポンが提供されるサービス「しゃべってクーポン」が話題を集める株式会社アイコトバ(東京都渋谷区)。「グーグルの検索でも2割が音声によるものとなっており、これからは音声認識の時代。次に来るキーテクノロジーだ」と田中謙二社長は話します。

クーポンを発行するコストがほとんどかからず、なおかつユーザ自身が商品名などを“喋る”ことで認知度が向上する可能性が高くなります。安価で効果の高い集客サービスとして今後の浸透が期待されています。

国際航業とのコラボでは、自治体向けの観光PRにアイコトバの仕組みを活用していく予定だといい、たとえば、観光地でクイズ形式の質問などをスマートフォンに通知。それに答えるスタンプラリー形式で、特産品やグッズなどがもらえる形のサービスを考案中です。

国際航業の長谷川さんは「観光インバウンドやDMO(観光施策)などのコンサルティング調査業務などにも展開していきたい」と話しました。

ビジネス向けビデオチャット基盤を活用

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FacePeer(フェイスピア)の真鍋憲士取締役

続いて、ビデオチャットのプラットフォーム「FaceHub(フェイスハブ)」を展開するFacePeer株式会社(フェイスピア、東京都港区)から真鍋憲士取締役が登壇しました。

WebRTC(Web Real-Time Communication)という技術を活用することで、Skypeやgoogleハングアウトとは異なり、インストールやアカウント登録をせずにブラウザ上で手軽に使える点を説明。「ビジネス現場向けに使いやすくなるよう、『1対複数人』や『複数人対複数人』の通信を可能とするなど、さまざまな機能を追加して開発した」とFaceHubの特徴を紹介します。

国際航業とのコラボでは、自治体への営業支援や、導入済みソフトのカスタマーサポート、国際航業が展開するメガソーラーのメンテナンスにFaceHubを活用することが検討されています。

国際航業の長谷川さんは「FacePeerの多田英彦社長からとにかく熱いプレゼンテーションをいただいた」とコラボ時の様子を振り返っていました。

新たな形の防災を考える取り組み

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一般社団法人防災ガールの田中美咲代表理事

最後に登壇した一般社団法人防災ガール(東京都渋谷区)は、東日本大震災を機に若い世代への防災の必要性を伝えることの重要性を痛感。「防災をもっとオシャレにわかりやすく」とのコンセプトで全国の20~30代の女性中心として立ち上がった団体です。

これまで、渋谷区と共同で拡張現実技術を利用した位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」を活用した若者向けの避難訓練を企画するなど、これまでなかった視点から防災対策につながる活動を展開してきました。

防災・減災対策やまちづくりを得意とする国際航業との相性も良好で、「国際航業が持つ空間情報データを活用して、女性や若者に地図を好きになってほしい」とリクエストを受け新しいプロダクトを提案。「自分自身もIngressを使った避難訓練に参加したが、新しい形の防災を感じた」(国際航業・長谷川さん)とコラボが決定しました。

その第一弾として、3Dハザードマップを使ったトートバックを作成。国際航業とともにクラウドファンディングの「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でプロジェクトを実施しました。

2016年コラボのテーマは社会課題の解決

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2016年のコラボ詳細を発表する国際航業の長谷川さん

8社・団体からの報告後、スタートアップとの窓口になってきた国際航業の長谷川さんと藤原さんが登壇し、2016年のcrewwコラボの詳細が発表されました。

今年は「社会課題の解決につながるビジネス」というテーマで、安全・安心や環境、気候変動、エネルギー、健康・福祉、まちづくり、技術基盤形成、食料、教育といった幅広い分野での課題に取り組むコラボを実現したいと紹介。

「社会に必要な事業にこそ、大きなビジネスチャンスがある。みなさん(スタートアップ)のパートナーとなる新規事業開発部のチームも新しいメンバーを加えて増強し、オフィスも新たに丸の内の国際ビルに構えた。(コラボに関する)予算もしっかりとったので、より大きな事業を一緒に作っていきましょう」(長谷川さん)と宣言しました。

crewwの担当者である李東徹は「2016年のコラボは事業化の可能性が高いテーマになっています。大きな構想を描いたうえで、ビジネスにつながる提案をお待ちしています」と会場の参加者に訴えました。

その後、会場では交流の場が設けられ、来場者が熱く語り合う様子も見られました。

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会場では参加者が交流する場も設けられた
 

2016年の国際航業によるcrewwコラボページ
レイ・フロンティア株式会社
株式会社WiFiシェア「タウンWiFi」
株式会社ナイトレイ
ユニロボット株式会社
株式会社BearTail
BearTail黒﨑賢一社長のcrewwインタビュー記事
株式会社アイコトバ
FacePeer株式会社
FacePeer多田英彦社長のcrewwインタビュー記事
一般社団法人防災ガール

 

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東京メトロの豊富な経営資源を開放する オープンイノベーションへ熱い意気込み

東京メトロ(東京地下鉄株式会社)がcreww(クルー)とともに行うオープンイノベーションプログラム「Tokyo Metro Accelerator 2016(東京メトロアクセラレーター2016)」の実施に際し、10月27日に都内でオリエンテーションを開催。首都圏の交通インフラになくてはならない同社が挑む新たな価値創造。約120のスタートアップが参加し、熱心な質疑応答が続きました。

東京の発展に寄与するアイデアを募集

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Tokyo Metro Accelerator 2016

Tokyo Metro Accelerator 2016は、東京メトログループが持つ1日707万人におよぶ顧客へのアプローチをはじめ、195.1キロの鉄道ネットワークと179の駅、337編成(2728両)の車両、駅構内にある店舗や商業ビル、駅構内の広告媒体やデジタルサイネージ、鉄道運行などに関するデータといった経営資源を解放することで、スタートアップとともに「東京の発展に寄与するための取り組みや事業」(同社)を創り出そうという試みです。

2016年10月31日(月)から11月9日(水)までの間にスタートアップからのエントリーを受け付け、11月11日(金)に1次選考、12月5日(月)の2次選考、12月15日(木)のプレゼンテーションと最終選考により、東京メトロとコラボレーションするスタートアップが選ばれるという流れになっています。

ローンチの有無や短期的な収益性の考慮不要

東京メトロでは、鉄道の安全運行や、コンプライアンスの遵守を前提に「可能な限り経営資源を解放する」(奥義光社長)との意気込みです。同社の事業と競合する可能性のある内容であったり、サービスのローンチ前であったり、コラボ後すぐに収益が見込まれない場合であったとしても「大丈夫ですので、応募してください」(同社)との姿勢です。

また、コラボ内容によっては、東京メトロと相互直通運転している各社に声をかけることもあるといいます。

crewwでは「今回のプログラムでは、東京メトロの課題を解決しようという視点は必要がなく、まずは自社サービスの成長や、東京の発展に寄与するためという考え方で応募してください」と呼びかけています。

一方で「法人個人問わずどなたでも応募可能ですが、単なるサービスの売込みではなく、コラボレーションであるという点に注意してください」(creww)といい、エントリー時には、2000字以内のテキストに(1)どのようなビジネス・サービスなのか、(2)狙っている市場やビジネスモデル、(3)短期的にやりたいこと、(4)中長期的な協業ビジネス、(5)座組みや役割、実施効果――といった点を盛り込んでほしいと説明しました。

東京メトロ・奥社長「つながり大切にしたい」

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東京メトロの奥社長

10月27日にベルサール六本木コンファレンスセンターで行われたオリエンテーションでは、東京メトロ奥義光社長や、crewwアドバイザーである出井(いでい)伸之・クオンタムリープ代表取締役、crewwCEO・伊地知天(いじちそらと)が登壇し、今回のイノベーションプログラムに関する意気込みが語られました。

東京メトロを代表して奥社長は「今回のイノベーションプログラムを通じ、スタートアップの方々とのつながりを大切にするとともに、互いの強みを発揮しながら新たな価値を創造していきたい」とあいさつ。「今から楽しみでわくわくしている」と期待感を示しました。

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クオンタムリープの出井氏

今年8月からcrewwのアドバイザーに就任したソニーの元社長で、クオンタムリープの創業者である出井氏は、日本のスタートアップやベンチャーを成長させるためにもっとも欠けているのが資金だといい、「大企業が資金提供者になるべきだ」と指摘。「すべての大企業が実践すればベンチャーはあっという間に育つ。その意味でも今回の東京メトロの取り組みは大変ありがたい」とエールをおくります。

「スタートアップにとって大きなチャンス」

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crewwのCEO・伊地知

東京の発展に寄与するアイデアを募集

crewwのCEOである伊地知は、これまでに70社以上の大手企業とイノベーションプログラムを行ってきたことを紹介し、「東京メトロさんが登場したことはスタートアップにとって大きなチャンスで、われわれもこれまでのノウハウや知見をフルに活用していく。多くの参加をお待ちしています」と呼びかけました。

また、今回のプログラムの責任者であるcreww執行役員の水野智之は、「東京メトロさんとプログラムを開催することは、crewwの企業アクセラレータープログラムを始めた時からの念願だった」と報道陣に明かしました。

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懇親会会場では活発なコミュニケーションが行われていました。

オリエンテーション後には、懇親会が行われ、東京メトロで今回のプログラムの審査委員長をつとめる髙山輝夫専務取締役が「社内が一丸となって、今回の取り組みを成功させたい」とあいさつ。参加したスタートアップと交流を深めました。

Tokyo Metro Accelerator 2016のページ(2016年10月31日~12月15日)

 


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オープンイノベーション加速へ向け キヤノンMJが社内で大規模報告会

キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2016年4月からに開始したCreww(クルー)のオープンイノベーションプログラムについて、コラボレーションを予定するスタートアップ3社を招き、自社とグループの社員向けに進捗状況の報告会を8月4日に行いました。当日はキヤノンMJの品川本社に約60名が集まったほか、全国のグループ社員にもライブ中継を実施。スタートアップとの共同展開を見据え、熱心に耳を傾ける姿が見られました。

スタートアップ67社から応募を集める

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キヤノンマーケティングジャパンでオープンイノベーションを担当するチームメンバーと報告会の登壇者ら

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キヤノンMJの品川本社には同社社員やグループ社員ら約60名が集まった

「製品販売を超えた価値創造を」とのテーマで2016年4月に始まったキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)によるCreww(クルー)のオープンイノベーションプログラムでは、予想を大きく超える数のスタートアップから応募が集まりました。

夕方18時前から始まった社内向けの説明会では、キヤノンMJでスタートアップとの窓口となっている総合企画本部経営戦略部部長の横坂一さんが「エントリーいただいた数十社の中から、6社がプレゼンテーションに進み、現在は3社とプロジェクト化を進めている最中」という現状とともに、これまでの経緯を丁寧に説明しました。

続いてCrewwの担当者である李東徹が登壇し、世界におけるオープンイノベーションの動向を解説。そのうえで、キヤノンMJが行ってきた取り組みについて「各カンパニーからメンバーが集まり、オープンイノベーションのチームを結成したケースは非常にめずらしい」と紹介しました。

「EOS」とビジネス動画ソリューション

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フレイ・スリーの石田貢CEO

キヤノンMJと取り組みを始めているスタートアップのなかで、最初に登壇したのは、3ステップで簡単にビジネス動画を作成できるソリューション「1Roll for Business(ワンロール・フォー・ビジネス)」が話題を集める株式会社フレイ・スリー(Hurray3、東京都港区)の石田貢代表取締役CEOです。

フレイ・スリーは、 CMの映像制作を軸とした事業を展開するピラミッドフィルムグループから2012年に生まれたスタートアップ。“短時間映像のプロ”として蓄積したノウハウを応用し、誰もが手軽にプロの動画を作成できるサービスを展開しているのが特徴です。

石田CEOは「1Roll for Businessでは不動産や人材採用、教育、eコマースなど、業種ごとに500を超えるテンプレートを用意しており、自社で簡単に動画作成ができることから、様々な業種で導入が増えている」と紹介しました。

動画撮影デバイスを取り扱うキヤノンMJとの相性は良好で、今後はそれらのデバイスと1Roll for Business との連携も見据えながら、法人顧客における動画作成ニーズを開拓していく計画です。

IoT時代ならではのサービスと連携

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Z-Worksの小川誠社長

続いてプレゼンテーションに臨んだ株式会社Z-Works (ジーワークス、東京都新宿区)の小川誠代表取締役社長は、「IoT(アイオーティー=Internet of Things)」と呼ばれる“モノのインターネット”時代の進展を見据え、様々なセンサーを活用した家庭向け「スマートホームIoT」の各種サービスを紹介しました。

同社の特徴は多種多様なセンサーを連携させるクラウド型のIoT基盤を提供していること。センサーを通じてデータをクラウド上に集めて解析し、スマートフォン(スマホ)上からのデータ閲覧や遠隔操作などを可能としています。

「こうしたIoT技術を活用することで“頑張らずとも続けられる介護”が実現できる」と小川社長は言います。その一つとして、同社が開発した「LiveConnect(ライブコネクト)」を紹介。リアルタイムで家の状態が確認できたり、生活の不安を解消したりできる機能を備えたアプリで、介護時の見守りサービスへの活用が期待されています。

このほか、部屋の鍵や管理への展開も容易なため、一般の民家を宿泊場所として活用する“民泊”や不動産業界などに展開することも視野に入れているといいます。今後、介護分野を中心として、キヤノンMJグループと幅広い分野での連携が期待できそうです。

法人市場でニーズが広がる音声認識

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Hmcommの三本幸司社長

3社目として登壇したのはHmcomm(エイチエムコム)株式会社(東京港区)の三本幸司社長。動画・音声コンテンツをアップロードするだけで、自動的に音声を文字データ化する法人向けの音声認識サービス「The Voice JP」を紹介しました。

同社は国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)で開発された技術の移転を受けた「産総研技術移転ベンチャー企業」として知られています。

「音声認識の市場は大幅な拡大が予想される」と話す三本社長。同社の特徴は、AI(人工知能)をとりいれた音声認識プラットフォームを構築していることです。自然な発話での音声認識を実現する音響学習技術をはじめ、社内データやインターネット上のテキストデータから最新用語や話題の学習を行うことで、日々認識機能が進化し続けていくため、ビジネス現場で活用するうえでも大きな強みとなりそうです。

現在、キヤノンMJとのPOCが実施されており、キヤノンデバイスとの連携ソリューションなど、ビジネスシーンへの応用を検討しています。

大手企業の事例紹介や本音での議論も

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NTTデータの残間光太朗さん

今回の社内向け説明会では、協業を予定するスタートアップの紹介だけでなく、大企業でオープンイノベーションに取り組んでいる事例として、NTTデータからイノベーション推進部オープンイノベーション事業創発室長の残間光太朗さんを招きました。

残間さんはNTTデータでオープンイノベーションを推し進める一環として、「豊洲の港から」という定期イベントを企画したことでも知られています。これまでの経緯や知見を紹介するとともに、「さまざまな人々を巻き込んで、日本から世界を変えるソリューションを生み出したい」という目標や意義を熱く語りました。

その後、登壇したスタートアップ3社と残間さん、キヤノンMJで新規事業の創造・推進を担当する総合企画本部経営戦略部新規ビジネス推進課課長野間隆運さん、司会としてCreww担当者の李をまじえた6人で「事業創造の取り組み」をテーマにパネルディスカッションも開催。起業の経緯や、スタートアップ企業と大企業の協業のあり方など、時に本音の話も飛び出す白熱した議論が交わされました。

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キヤノンMJの野間隆運さん

キヤノンMJの野間さんは、「オープンイノベーションを行うまでに2年間の時間を要し、これからもハードルは出てくると思うが、何とか乗り越えていきたい」と宣言し、会場に集まった社員やグループ企業の社員に対し「ぜひ輪のなかに入って、応援してほしい」と語りかけ、オープンイノベーションの成功へ向けてさらに多くの社員を巻き込む意欲を見せていました。

 


キヤノンマーケティングジャパンによるcrewwコラボ(2016年4月)
フレイ・スリー代表取締役CEO・石田貢さんのcrewwページ
株式会社Z-Worksのcrewwページ
Hmcomm株式会社「The VOICE JP」のcrewwページ
NTTデータのオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」の紹介
キヤノンマーケティングジャパン・野間隆運さんのcrewwページ

 
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creww初のミートアップイベント コラボ成功の秘訣を議論しました

creww(クルー)ではスタートアップのみなさんを対象に初のミートアップイベントを2016年7月7日に東京・渋谷の「ダブルトールカフェ渋谷店」で開きました。「やってよかったcrewwコラボ」「もう負けない!crewwコラボ必勝法+Q&A」をテーマに、ゲストとしてWarrantee(ワランティ)の庄野裕介さんとキッズスターの金城永典さんが登壇し、コラボ成功への秘訣や裏話を披露。参加した約20名とともに、ビジネスのあり方やcrewwでの活動を熱く語りました。

自らのサービスを俯瞰し、高いレイヤーで提案を

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Warrantee(ワランティ)の庄野裕介さん

七夕の夜19時に始まったミートアップイベントでは、crewwを代表して瀬川栄樹が「今夜はゆるやかな雰囲気で進みますが、深い情報交換していきましょう」とあいさつ。続いて、成功するコラボのあり方について、Warrantee(ワランティ)の創業者である庄野裕介さんがマイクを握りました。

Warranteeは、電化製品などの保証書をスマホのカメラで撮影すると電子化され、保証期間などの管理ができるサービスです。あらゆる製品の「アフターサポートにおけるプラットフォーム」を目指すというコンセプトは、crewwコラボにおいても高い評価を受け、相次いで大手企業と協業が決まるだけでなく、出資の話も複数社から舞い込んでいるといいます。

そんな庄野さんが、コラボにおいて重要な点として強調していたのが、自らのサービスや製品を俯瞰(ふかん)して見ることの大切さです。

「私たちの場合、単なる保証書の管理サービスと考えるのではなく、家電を管理するということは、車や家などの管理も可能ですので、資産管理につながります。さらにはCRM(顧客管理)にも使えるでしょう。捉え方一つで対応できるフィールドが広がりますので、今一度、自らのサービスを俯瞰して高いレイヤーから提案してみてください」とアドバイスしました。

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会場ではcrewwコラボにおけるリアルな話が披露されました

相手に読む気にさせる提案書をどう作るか?

さらに庄野さんは、これまでどんなコラボに応募し、どの会社に興味を持たれたのかという具体例を会場で披露。これらの経験をもとに、提案しやすい企業の見分け方について「将来ビジョンや課題が相手企業にあるかないかが重要。課題が明確でない企業と協業について話すことは非常に難しい」と明かしました。

相手企業の将来ビジョンや課題の探し方については、上場企業ならIR(インベスター・リレーションズ=投資家向け)情報を活用するのが最適だといい、「決算短信は読み解くのが若干難しいので、『決算ハイライト』などと書かれた決算の説明資料を読むのがいいでしょう」と紹介します。

さらには提案書の書き方についても言及し、「相手に読む気にさせるためには、とにかくタイトルが大事。世の中のホットなキーワードを入れると注目されやすい」といい、「論理立てて書くことが重要で、文章化が難しければ箇条書きでも構わない。悩んだときはcrewwのスタッフにアドバイスを求めるのも有効です」と具体的にアドバイスしていました。

まずはエントリーしないと何も起きない

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キッズスターの金城永典さん

庄野さんに続いて登壇したのは、キッズスターでアカウントエグゼクティブをつとめる金城永典さんです。森永製菓とのコラボから生まれた「キョロちゃん海の大冒険」などの独自アプリをはじめ、知育や教育支援のサービスで知られるキッズスターですが、最近は高齢者向け介護支援ソリューション分野にも進出。子どもと高齢者の両分野を得意とするスタートアップとして、大手企業からの注目度が高くなっています。

金城さんはこれまでcrewwで30回超にわたってコラボに応募した経験を披露し、「まずはエントリーしないと何も起きない。とにかく打席に立つことが重要です」と訴えました。そのうえで、提出した企画書について「テキストだけの企画書ではダメ。本気で企画書を提出すれば、踏み込んだ話に発展しやすい」とアドバイス。

一方、これまで大手企業とトライアルは行ったものの、その先に進めなかった経験も何度かあるといい、「相手に必要以上のリソースを求めると失敗しやすい。特に資金提供を求めると先に進みづらい傾向があると分かったので、その後は先方の反応を見ながらに変えた」と明かしました。

「最近は大手企業がスタートアップとの協業には慎重になっているイメージがあり、スモールスタートができるプランがないと始まらない」と述べ、「大手と協業することで、販路や人、施設といったものは調達しやすいイメージがあります。ただ、お金がからむと、ハードルは上がります」との印象を話しました。

普段は聴けないような濃密な話で盛り上がる

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庄野さんと金城さんの講演後、参加者からは次々と手が上がり、「crewwを通すことのメリットはどんな点にあるのか」「コラボに落ち続けたらどうすればいいのか」といった内容から、crewwのエントリーページや自己紹介ページの改善要望、「最近は大手とスタートアップの協業が大きな規模になりづらいのはなぜか」といった世の中の動向まで、あらゆる質問内容が飛び出しました。

crewwを活用することについて庄野さんは「決済権者へアプローチするにはcrewwは最強です。大企業とスタートアップの“出会い系サイト”みたいなものでしょうか」と会場の笑いを誘い、金城さんは「これまで営業メールを送り続けてきたのですが、きわめて非効率。crewwはひとっとびに担当者へアクセスできる。まるで、開けられない扉を開けてくれる存在」と話します。

一方、コラボに“連敗”した経験について金城さんは、「相手企業と継続して仕事ができることがゴールとすれば、エントリーした大半は“落選”ということになる。『何くそ!』という気持ちを持っていないと負けてしまう」と吐露し、庄野さんは「手抜きをしていないか否か原因を突き詰めることが大事、大企業は甘くない」と、自らを振り返ることの重要性を述べていました。

その後の交流会では、個別に細かな情報交換が行われ、お酒と食事を楽しみながら、普段は決して聴けないような濃密な話が最後まで交わされました。

crewwでは大手企業とスタートアップの橋渡しはもちろん、crewwに参加いただいているスタートアップ間においても、横のつながりが創出できる場も積極的に設けてまいります。ご参加いただいたみなさま、夜遅くまでありがとうございました。

 


Warrantee(ワランティ)・庄野裕介さんのインタビューページ
キッズスター・金城永典さんのcrewwページ