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creww最多となる138件のエントリー 東京メトロのプログラムで3件を採択

creww(クルー)史上最多の138件のスタートアップが参加――。東京メトロ(東京地下鉄株式会社)がcrewwと2016年10月から始めたオープンイノベーションプログラム「Tokyo Metro Accelerator 2016(東京メトロアクセラレーター2016)」では、crewwのプログラムで過去最多となる138件のスタートアップがエントリーし、12月15日に2次審査を通過した6件が最終のプレゼンテーションに臨みました。協議時間が予定よりオーバーするなど、最後まで選考委員が悩み抜いた末に選んだ3件とは。

138件から選ばれた6件が最終プレゼンに臨む

Tokyo Metro Accelerator 2016は、crewwに登録するスタートアップとともに「東京の更なる発展に寄与する新しい価値」(同社)を創り出そうという東京メトロでは初の試みです。10月31日から11月9日にかけて、ローンチの有無や短期的な収益性の考慮も不要という条件でスタートアップからのエントリーを広く受け付けました。

1次審査で138件から33件が選ばれ、さらに2次審査を経て、都内六本木で最後となる公開プレゼンテーションを開催。最終プレゼンテーションまで残ったのは次の6社です。

・株式会社LOCUS(ローカス=東京都渋谷区、瀧良太社長):テンプレート型動画サービス「FastVideo(ファストビデオ)

・プログレス・テクノロジーズ株式会社(東京都江東区、中山岳人社長):視覚障がい者向けナビゲーションシステム「AI CAMERA(エーアイカメラ)

・株式会社ナイトレイ(東京都渋谷区、石川豊社長):訪日外国人解析サービス「inbound insight(インバウンドインサイト)

・株式会社ログバー(東京都渋谷区、吉田卓郎社長):インターネットを介さない音声翻訳サービス「ili(イリー)

・株式会社Tadaku(タダク=東京都品川区、石川俊祐社長):外国人が教える家庭料理教室「Tadaku

・Qrio株式会社(キュリオ=東京都渋谷区、西條晋一社長):モノとスマホをつなげるアクセサリー「Qrio Smart Tag(キュリオスマートタグ)

ユニークさと将来性、インパクトで3社を選ぶ

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採択された3社と東京メトロの奥義光社長(右)、審査委員長の髙山専務取締役(左)

最終プレゼンテーションでは、7名の審査員やマスコミ各社をはじめ、東京メトロの経営層や、自らが担当したスタートアップを応援する立場で訪れた若手・中堅社員などが見守る会場で行われました。

外部審査員として招かれた五嶋一人氏(株式会社iSGSインベストメントワークス社長)や麻生要一氏(株式会社リクルートホールディングスMedia Technology Lab.代表)らから時に厳しい質問も飛び出すなか、6社はそれぞれ15分間のプレゼンテーションと質疑応答を終了。

その後に行われた審査協議は、7人の委員による激しい議論が行われ、予定時間を過ぎても終わらないほどに白熱。予定より遅れて始まった結果発表では、審査委員長をつとめた東京メトロの髙山輝夫専務取締役から「ユニークさや将来性、インパクトを考え抜いて選んだ」と述べ、プログレス・テクノロジーズとログバー、Tadakuの3社に決まったことが報告されました。

視覚障がい者と訪日客に向けた先進デバイス

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プログレス・テクノロジーズの中山岳人社長(左)

今回のプログラムに採択されたプログレス・テクノロジーズは、視覚障がい者向けに骨電動デバイス「ShikAI(しかい)」の開発に取り組んでおり、AI(人工知能)を使った物体認識とビーコン(Beacon=位置情報伝達)を活用することで、駅構内を安心して歩ける環境にしたいと提案。

「世の中を変えていくパワーを持っている」(同社を推薦した東京メトロの担当社員)という将来性と技術力が審査員に評価されました。プログレス・テクノロジーズの中山岳人社長は「視覚障がいを持つ方々のため、さらに開発に注力していきたい」と採択されたことに喜びを表しました。

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ログバーの山崎代表取締役兼COO(左)

また、ログバーは、指輪型のウェアラブルデバイス「Ring(リング)」で知られる話題のスタートアップです。そうした経験を生かした音声翻訳デバイス「ili(イリー)」は、インターネット環境がなくても翻訳が行えるデバイスを開発。これを活用し外国人旅行者の多い駅構内で実証実験を行いたいと提案しました。

「言葉の壁がなくなる時代をともに創りたい」(同社を推薦した東京メトロの担当社員)という先進性と、「場所を選ばず、タイムラグのないコミュニケーションがとれる高い技術」(審査委員会)が評価されての採択となりました。ログバーの山崎貴之代表取締役兼COOは「東京を変えていく機会にしたい」と意気込んでいます。

「シェアリングエコノミー」サービスも採択

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Tadakuの須佐取締役(左)

一方、Tadaku(タダク)は、日本に住む外国人の自宅で世界各国の料理を学ぶ同名のマッチングサービスを展開しており、同社が持つ外国人ネットワークを活用して「東京メトロの沿線で、スタンプラリーを行うなど文化を学びながら“世界一周”ができるイベントを企画したい」と提案。

「シェアリングエコノミー(モノやサービスを個人間でやり取りする共有経済)としてのユニークさ、地域との共生とインバウンドのお客様に対するサービスの新規性」(審査委員会)が評価されて採択されました。採択後に行われた報道関係者向けのインタビューで須佐宇司(ひろし)取締役は「シェアリングエコノミーという観点で、東京メトロさんと何ができるのかをさらに詰めていきたい」と今後に向けての抱負を語りました。

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オープンイノベーションプログラムは「充実した時間だった」と振り返る東京メトロの奥社長

今回のオープンイノベーションプログラムについて、東京メトロの奥義光社長は「まだまだ(自社で)できることがあると知ることができ、充実した時間でした。また、スタートアップの方の知恵や力を借りれば色んなことが実現できると感じた社員たちの目の輝きが変わっていき、意義深かった。今回、提案いただいたスタートアップの方々とつながりを今後も大切にしたい」と締めくくりました。

なお、最終プレゼンテーションの結果、惜しくも選ばれなかった3社には、「東京メトロ24時間券」が各社100枚ずつ贈られました。

 

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「スタートアップと数十億規模の事業を」 国際航業がデモデイを開催

空間情報コンサルティングを事業の柱に据える国際航業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:土方聡)は、2015年11月に初めて実施した第一回国際航業crewwコラボの現状を報告と、次年度の概要について説明する「crewwコラボ2015 デモデイ&2016オリエンテーション」を東京・渋谷のイベント&コミュニティスペース「dots.」で7月21日夜に初めて開催。スタートアップや大手企業の担当者ら100人以上が参加し、リアルの場でコミュニケーションをはかる絶好の機会となりました。

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会場には100人以上が詰め掛けました

初コラボに予想を上回る数の会社・団体が応募

グリーン・コミュニティの実現を目指す日本アジアグループ傘下の国際航業は、空間情報コンサルティング事業を展開する1947年(昭和22)創業の老舗企業。まちづくりに携わる人々に高い知名度を誇り、多数の官公庁や民間企業を顧客に持っています。

いわゆる「BtoB」「BtoG(官公庁)」として知られる企業ですが、2015年11月に新たな事業展開を目指し、crewwを利用したオープンイノベーションを実施。多彩なスタートアップからの応募を得て、このうち8社とコラボを進めているところです。

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コラボへの期待を語る国際航業の土方聡社長

イベントでは、国際航業の土方聡社長が「2020年の先に向かって、スタートアップの方々と数十億規模の事業を一緒に作っていきたい」と意気込みを熱く語りました。続いて、Creww株式会社の代表取締役である伊地知天(いじちそらと)は「大企業とスタートアップの利害が一致するマッチングを成功させるためにcrewwが間に立ち、両者の成長を加速させていく」とあいさつ。

その後、2015年のオープンイノベーションに参加後に国際航業とのコラボを進めているスタートアップ8社・団体が現在の事業やコラボの進捗状況を発表しました。

高齢者の「未病」対策にアプリを活用

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レイ・フロンティアの澤田典宏取締役COO

最初に登壇したのは、行動情報を可視化する「SilentLog Analytics(サイレントログ・アナリティクス)」を展開するレイ・フロンティア株式会社(東京都江戸川区)です。人工知能などを活用してリアルタイムで人々の行動を分析が可能で、大地震などの有事の際に意思決定にも役立つといいます。国際航業のコラボでは、アプリを立ち上げているだけで行動が自動で記録される「SilentLogアプリ」を活用し、高齢者の未病対策に取り組んだ例が報告されました。

「最初はすぐに止めてしまうなどの問題はあったが、アプリを使った高齢者の6割が歩数増につながった。人気のゲームアプリ『ポケモンGO』と似ていて、外へ出て歩くので健康につながる」と澤田典宏取締役COOは話します。

国際航業新規事業開発本部の藤原康史さんは「当社ではこれまで災害に強いまちづくりや低炭素社会づくりに取り組んできましたが、近年は超高齢化社会に対応するため、高齢者が地域において健康で活動的に暮らせる新しいまちづくりを検討していたところにレイ・フロンティアさんから応募があった。まさに我が意を得たり、だった」とコラボにいたった経緯を紹介しました。

地方自治体のWi-Fiをアプリでつなぐ

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タウンWiFiの荻田剛大社長

続いて壇上に上がったのは、街中の無料Wi-Fiに自動接続してくれるアプリ「タウンWiFi」が人気を集めている株式会社タウンWiFi(東京都港区)です。

わずか2カ月間で90万ダウンロードを突破するなど支持が広がっており、荻田剛大社長は「Wi-Fi利用の比率を上げることで通信容量の制限から解放される。巷では“神アプリ”と呼ばれています」と紹介しました。

一方、地方自治体が各地で提供するWi-Fiサービスとの連携が次の課題となっており、官公庁に強い国際航業とのコラボにより、さらなる発展が期待されています。「現在、自治体との間に立っていただいており、感謝するばかりです」と荻田社長は言います。

国際航業の藤原さんは「タウンWiFiはユーザに便利であることはもちろん、管理者側にも有用なサービスが多く、各地での観光振興やまちづくりに活用してもらうために全国を一緒にまわっているところ」と話しました。

訪日観光客の行動分析が可能に

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ナイトレイの石川豊社長

株式会社ナイトレイはソーシャルメディア解析によって訪日外国人の観光行動を分析できる「inbound insight(インバウンドインサイト)」を展開しています。TwitterなどのSNS上に公開されている投稿内容をリアルタイムで解析。行動場所やクチコミ、国籍、性別、移動経路などを独自にデータベース化し、インバウンドマーケティングに必要となる裏付けデータを提供するサービスです。

国際航業とのコラボでも、データを軸に共同で商品開発などを行う予定だといいます。石川豊社長は「現在社内外を含めてニーズのヒアリングを進めながら、提案活動をしている」と話します。具体的には、自治体などに対する調査やコンサルティング業務をはじめ、国際航業が持つGIS(地理情報システム)データと連携して訪日外国人対策支援や共同レポート等のサービス開発を行っていく考えです。

国際航業の藤原さんは「まさにナイトレイさんはインバウンド観光によって地域活性化を進めている組織が求めているデータを持っている」とコラボにいたった理由を紹介しました。

可愛い支援ロボット「unibo」に期待

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ユニロボットの酒井拓社長

ユニロボット株式会社(東京都渋谷区)は、家族間の交流促進や生活を支援するとのコンセプトで生まれた人工知能を使った生活支援ロボット「unibo(ユニボ)」を展開しています。酒井拓社長は「まさに『ドラえもん』の世界観を実現しようという次世代型のソーシャルロボット」といい、2017年3月冬の発売に向けて開発が進展中です。

国際航業とのコラボでは、高齢者などに向けて、uniboを活用したセルフケアを支援するサービスを進めており、日常生活のリマインダーや、健康と食事の管理、日常会話や見守りなどを行う計画です。今後、国際航業と金沢大学、ユニロボットの3社による実証実験を行うことを検討していくといいます。

国際航業新規事業開発本部の長谷川浩司さんは「uniboは、とにかく可愛いと評判になっている。ユーザーに好まれることは、支援を目的とするツールにとって最も重要なポイント。」と、今後の開発への大きな期待を示しました。

競合も含めた貴重な購買データを収集

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BearTail(ベアテイル)の黒﨑賢一社長

全自動の家計簿アプリ「Dr.Wallet(ドクターウォレット)」が話題を集める株式会社BearTail(ベアテイル、東京都千代田区)は、スマートフォンのカメラで撮影されたレシート類を約2000名のオペレーターが手入力することで、高い精度の読み取り率を誇ります。これまで120万超のダウンロード数にいたったといいます。

利用ユーザごとにさまざまな実購買データを得られるのが特徴で、「たとえば、『Tポイント』だと加盟店内におけるデータしか収集できないが、Dr.Walletはコンビニなど世の中にあまり出回らないデータも集められる」と黒﨑賢一社長は話します。

国際航業とのコラボでは、同社が展開する電気料金プラン最適化サービス「エネがえる」との連携をはじめ、同社が持つ空間情報データと連携し、商圏分析サービスなどを展開していく考えです。

国際航業の長谷川さんは「BearTailさんのデータを見た弊社の役員が『これはすごい』と驚いていた。競合のデータも取れるのは貴重だ」と話しました。

話題の音声認識を使って観光地振興に

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アイコトバの田中謙二社長

スマートフォンに向かって特定のキーワードをしゃべるとクーポンが提供されるサービス「しゃべってクーポン」が話題を集める株式会社アイコトバ(東京都渋谷区)。「グーグルの検索でも2割が音声によるものとなっており、これからは音声認識の時代。次に来るキーテクノロジーだ」と田中謙二社長は話します。

クーポンを発行するコストがほとんどかからず、なおかつユーザ自身が商品名などを“喋る”ことで認知度が向上する可能性が高くなります。安価で効果の高い集客サービスとして今後の浸透が期待されています。

国際航業とのコラボでは、自治体向けの観光PRにアイコトバの仕組みを活用していく予定だといい、たとえば、観光地でクイズ形式の質問などをスマートフォンに通知。それに答えるスタンプラリー形式で、特産品やグッズなどがもらえる形のサービスを考案中です。

国際航業の長谷川さんは「観光インバウンドやDMO(観光施策)などのコンサルティング調査業務などにも展開していきたい」と話しました。

ビジネス向けビデオチャット基盤を活用

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FacePeer(フェイスピア)の真鍋憲士取締役

続いて、ビデオチャットのプラットフォーム「FaceHub(フェイスハブ)」を展開するFacePeer株式会社(フェイスピア、東京都港区)から真鍋憲士取締役が登壇しました。

WebRTC(Web Real-Time Communication)という技術を活用することで、Skypeやgoogleハングアウトとは異なり、インストールやアカウント登録をせずにブラウザ上で手軽に使える点を説明。「ビジネス現場向けに使いやすくなるよう、『1対複数人』や『複数人対複数人』の通信を可能とするなど、さまざまな機能を追加して開発した」とFaceHubの特徴を紹介します。

国際航業とのコラボでは、自治体への営業支援や、導入済みソフトのカスタマーサポート、国際航業が展開するメガソーラーのメンテナンスにFaceHubを活用することが検討されています。

国際航業の長谷川さんは「FacePeerの多田英彦社長からとにかく熱いプレゼンテーションをいただいた」とコラボ時の様子を振り返っていました。

新たな形の防災を考える取り組み

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一般社団法人防災ガールの田中美咲代表理事

最後に登壇した一般社団法人防災ガール(東京都渋谷区)は、東日本大震災を機に若い世代への防災の必要性を伝えることの重要性を痛感。「防災をもっとオシャレにわかりやすく」とのコンセプトで全国の20~30代の女性中心として立ち上がった団体です。

これまで、渋谷区と共同で拡張現実技術を利用した位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」を活用した若者向けの避難訓練を企画するなど、これまでなかった視点から防災対策につながる活動を展開してきました。

防災・減災対策やまちづくりを得意とする国際航業との相性も良好で、「国際航業が持つ空間情報データを活用して、女性や若者に地図を好きになってほしい」とリクエストを受け新しいプロダクトを提案。「自分自身もIngressを使った避難訓練に参加したが、新しい形の防災を感じた」(国際航業・長谷川さん)とコラボが決定しました。

その第一弾として、3Dハザードマップを使ったトートバックを作成。国際航業とともにクラウドファンディングの「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でプロジェクトを実施しました。

2016年コラボのテーマは社会課題の解決

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2016年のコラボ詳細を発表する国際航業の長谷川さん

8社・団体からの報告後、スタートアップとの窓口になってきた国際航業の長谷川さんと藤原さんが登壇し、2016年のcrewwコラボの詳細が発表されました。

今年は「社会課題の解決につながるビジネス」というテーマで、安全・安心や環境、気候変動、エネルギー、健康・福祉、まちづくり、技術基盤形成、食料、教育といった幅広い分野での課題に取り組むコラボを実現したいと紹介。

「社会に必要な事業にこそ、大きなビジネスチャンスがある。みなさん(スタートアップ)のパートナーとなる新規事業開発部のチームも新しいメンバーを加えて増強し、オフィスも新たに丸の内の国際ビルに構えた。(コラボに関する)予算もしっかりとったので、より大きな事業を一緒に作っていきましょう」(長谷川さん)と宣言しました。

crewwの担当者である李東徹は「2016年のコラボは事業化の可能性が高いテーマになっています。大きな構想を描いたうえで、ビジネスにつながる提案をお待ちしています」と会場の参加者に訴えました。

その後、会場では交流の場が設けられ、来場者が熱く語り合う様子も見られました。

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会場では参加者が交流する場も設けられた
 

2016年の国際航業によるcrewwコラボページ
レイ・フロンティア株式会社
株式会社WiFiシェア「タウンWiFi」
株式会社ナイトレイ
ユニロボット株式会社
株式会社BearTail
BearTail黒﨑賢一社長のcrewwインタビュー記事
株式会社アイコトバ
FacePeer株式会社
FacePeer多田英彦社長のcrewwインタビュー記事
一般社団法人防災ガール

 

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東京メトロの豊富な経営資源を開放する オープンイノベーションへ熱い意気込み

東京メトロ(東京地下鉄株式会社)がcreww(クルー)とともに行うオープンイノベーションプログラム「Tokyo Metro Accelerator 2016(東京メトロアクセラレーター2016)」の実施に際し、10月27日に都内でオリエンテーションを開催。首都圏の交通インフラになくてはならない同社が挑む新たな価値創造。約120のスタートアップが参加し、熱心な質疑応答が続きました。

東京の発展に寄与するアイデアを募集

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Tokyo Metro Accelerator 2016

Tokyo Metro Accelerator 2016は、東京メトログループが持つ1日707万人におよぶ顧客へのアプローチをはじめ、195.1キロの鉄道ネットワークと179の駅、337編成(2728両)の車両、駅構内にある店舗や商業ビル、駅構内の広告媒体やデジタルサイネージ、鉄道運行などに関するデータといった経営資源を解放することで、スタートアップとともに「東京の発展に寄与するための取り組みや事業」(同社)を創り出そうという試みです。

2016年10月31日(月)から11月9日(水)までの間にスタートアップからのエントリーを受け付け、11月11日(金)に1次選考、12月5日(月)の2次選考、12月15日(木)のプレゼンテーションと最終選考により、東京メトロとコラボレーションするスタートアップが選ばれるという流れになっています。

ローンチの有無や短期的な収益性の考慮不要

東京メトロでは、鉄道の安全運行や、コンプライアンスの遵守を前提に「可能な限り経営資源を解放する」(奥義光社長)との意気込みです。同社の事業と競合する可能性のある内容であったり、サービスのローンチ前であったり、コラボ後すぐに収益が見込まれない場合であったとしても「大丈夫ですので、応募してください」(同社)との姿勢です。

また、コラボ内容によっては、東京メトロと相互直通運転している各社に声をかけることもあるといいます。

crewwでは「今回のプログラムでは、東京メトロの課題を解決しようという視点は必要がなく、まずは自社サービスの成長や、東京の発展に寄与するためという考え方で応募してください」と呼びかけています。

一方で「法人個人問わずどなたでも応募可能ですが、単なるサービスの売込みではなく、コラボレーションであるという点に注意してください」(creww)といい、エントリー時には、2000字以内のテキストに(1)どのようなビジネス・サービスなのか、(2)狙っている市場やビジネスモデル、(3)短期的にやりたいこと、(4)中長期的な協業ビジネス、(5)座組みや役割、実施効果――といった点を盛り込んでほしいと説明しました。

東京メトロ・奥社長「つながり大切にしたい」

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東京メトロの奥社長

10月27日にベルサール六本木コンファレンスセンターで行われたオリエンテーションでは、東京メトロ奥義光社長や、crewwアドバイザーである出井(いでい)伸之・クオンタムリープ代表取締役、crewwCEO・伊地知天(いじちそらと)が登壇し、今回のイノベーションプログラムに関する意気込みが語られました。

東京メトロを代表して奥社長は「今回のイノベーションプログラムを通じ、スタートアップの方々とのつながりを大切にするとともに、互いの強みを発揮しながら新たな価値を創造していきたい」とあいさつ。「今から楽しみでわくわくしている」と期待感を示しました。

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クオンタムリープの出井氏

今年8月からcrewwのアドバイザーに就任したソニーの元社長で、クオンタムリープの創業者である出井氏は、日本のスタートアップやベンチャーを成長させるためにもっとも欠けているのが資金だといい、「大企業が資金提供者になるべきだ」と指摘。「すべての大企業が実践すればベンチャーはあっという間に育つ。その意味でも今回の東京メトロの取り組みは大変ありがたい」とエールをおくります。

「スタートアップにとって大きなチャンス」

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crewwのCEO・伊地知

東京の発展に寄与するアイデアを募集

crewwのCEOである伊地知は、これまでに70社以上の大手企業とイノベーションプログラムを行ってきたことを紹介し、「東京メトロさんが登場したことはスタートアップにとって大きなチャンスで、われわれもこれまでのノウハウや知見をフルに活用していく。多くの参加をお待ちしています」と呼びかけました。

また、今回のプログラムの責任者であるcreww執行役員の水野智之は、「東京メトロさんとプログラムを開催することは、crewwの企業アクセラレータープログラムを始めた時からの念願だった」と報道陣に明かしました。

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懇親会会場では活発なコミュニケーションが行われていました。

オリエンテーション後には、懇親会が行われ、東京メトロで今回のプログラムの審査委員長をつとめる髙山輝夫専務取締役が「社内が一丸となって、今回の取り組みを成功させたい」とあいさつ。参加したスタートアップと交流を深めました。

Tokyo Metro Accelerator 2016のページ(2016年10月31日~12月15日)

 


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オープンイノベーション加速へ向け キヤノンMJが社内で大規模報告会

キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2016年4月からに開始したCreww(クルー)のオープンイノベーションプログラムについて、コラボレーションを予定するスタートアップ3社を招き、自社とグループの社員向けに進捗状況の報告会を8月4日に行いました。当日はキヤノンMJの品川本社に約60名が集まったほか、全国のグループ社員にもライブ中継を実施。スタートアップとの共同展開を見据え、熱心に耳を傾ける姿が見られました。

スタートアップ67社から応募を集める

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キヤノンマーケティングジャパンでオープンイノベーションを担当するチームメンバーと報告会の登壇者ら

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キヤノンMJの品川本社には同社社員やグループ社員ら約60名が集まった

「製品販売を超えた価値創造を」とのテーマで2016年4月に始まったキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)によるCreww(クルー)のオープンイノベーションプログラムでは、予想を大きく超える数のスタートアップから応募が集まりました。

夕方18時前から始まった社内向けの説明会では、キヤノンMJでスタートアップとの窓口となっている総合企画本部経営戦略部部長の横坂一さんが「エントリーいただいた数十社の中から、6社がプレゼンテーションに進み、現在は3社とプロジェクト化を進めている最中」という現状とともに、これまでの経緯を丁寧に説明しました。

続いてCrewwの担当者である李東徹が登壇し、世界におけるオープンイノベーションの動向を解説。そのうえで、キヤノンMJが行ってきた取り組みについて「各カンパニーからメンバーが集まり、オープンイノベーションのチームを結成したケースは非常にめずらしい」と紹介しました。

「EOS」とビジネス動画ソリューション

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フレイ・スリーの石田貢CEO

キヤノンMJと取り組みを始めているスタートアップのなかで、最初に登壇したのは、3ステップで簡単にビジネス動画を作成できるソリューション「1Roll for Business(ワンロール・フォー・ビジネス)」が話題を集める株式会社フレイ・スリー(Hurray3、東京都港区)の石田貢代表取締役CEOです。

フレイ・スリーは、 CMの映像制作を軸とした事業を展開するピラミッドフィルムグループから2012年に生まれたスタートアップ。“短時間映像のプロ”として蓄積したノウハウを応用し、誰もが手軽にプロの動画を作成できるサービスを展開しているのが特徴です。

石田CEOは「1Roll for Businessでは不動産や人材採用、教育、eコマースなど、業種ごとに500を超えるテンプレートを用意しており、自社で簡単に動画作成ができることから、様々な業種で導入が増えている」と紹介しました。

動画撮影デバイスを取り扱うキヤノンMJとの相性は良好で、今後はそれらのデバイスと1Roll for Business との連携も見据えながら、法人顧客における動画作成ニーズを開拓していく計画です。

IoT時代ならではのサービスと連携

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Z-Worksの小川誠社長

続いてプレゼンテーションに臨んだ株式会社Z-Works (ジーワークス、東京都新宿区)の小川誠代表取締役社長は、「IoT(アイオーティー=Internet of Things)」と呼ばれる“モノのインターネット”時代の進展を見据え、様々なセンサーを活用した家庭向け「スマートホームIoT」の各種サービスを紹介しました。

同社の特徴は多種多様なセンサーを連携させるクラウド型のIoT基盤を提供していること。センサーを通じてデータをクラウド上に集めて解析し、スマートフォン(スマホ)上からのデータ閲覧や遠隔操作などを可能としています。

「こうしたIoT技術を活用することで“頑張らずとも続けられる介護”が実現できる」と小川社長は言います。その一つとして、同社が開発した「LiveConnect(ライブコネクト)」を紹介。リアルタイムで家の状態が確認できたり、生活の不安を解消したりできる機能を備えたアプリで、介護時の見守りサービスへの活用が期待されています。

このほか、部屋の鍵や管理への展開も容易なため、一般の民家を宿泊場所として活用する“民泊”や不動産業界などに展開することも視野に入れているといいます。今後、介護分野を中心として、キヤノンMJグループと幅広い分野での連携が期待できそうです。

法人市場でニーズが広がる音声認識

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Hmcommの三本幸司社長

3社目として登壇したのはHmcomm(エイチエムコム)株式会社(東京港区)の三本幸司社長。動画・音声コンテンツをアップロードするだけで、自動的に音声を文字データ化する法人向けの音声認識サービス「The Voice JP」を紹介しました。

同社は国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)で開発された技術の移転を受けた「産総研技術移転ベンチャー企業」として知られています。

「音声認識の市場は大幅な拡大が予想される」と話す三本社長。同社の特徴は、AI(人工知能)をとりいれた音声認識プラットフォームを構築していることです。自然な発話での音声認識を実現する音響学習技術をはじめ、社内データやインターネット上のテキストデータから最新用語や話題の学習を行うことで、日々認識機能が進化し続けていくため、ビジネス現場で活用するうえでも大きな強みとなりそうです。

現在、キヤノンMJとのPOCが実施されており、キヤノンデバイスとの連携ソリューションなど、ビジネスシーンへの応用を検討しています。

大手企業の事例紹介や本音での議論も

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NTTデータの残間光太朗さん

今回の社内向け説明会では、協業を予定するスタートアップの紹介だけでなく、大企業でオープンイノベーションに取り組んでいる事例として、NTTデータからイノベーション推進部オープンイノベーション事業創発室長の残間光太朗さんを招きました。

残間さんはNTTデータでオープンイノベーションを推し進める一環として、「豊洲の港から」という定期イベントを企画したことでも知られています。これまでの経緯や知見を紹介するとともに、「さまざまな人々を巻き込んで、日本から世界を変えるソリューションを生み出したい」という目標や意義を熱く語りました。

その後、登壇したスタートアップ3社と残間さん、キヤノンMJで新規事業の創造・推進を担当する総合企画本部経営戦略部新規ビジネス推進課課長野間隆運さん、司会としてCreww担当者の李をまじえた6人で「事業創造の取り組み」をテーマにパネルディスカッションも開催。起業の経緯や、スタートアップ企業と大企業の協業のあり方など、時に本音の話も飛び出す白熱した議論が交わされました。

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キヤノンMJの野間隆運さん

キヤノンMJの野間さんは、「オープンイノベーションを行うまでに2年間の時間を要し、これからもハードルは出てくると思うが、何とか乗り越えていきたい」と宣言し、会場に集まった社員やグループ企業の社員に対し「ぜひ輪のなかに入って、応援してほしい」と語りかけ、オープンイノベーションの成功へ向けてさらに多くの社員を巻き込む意欲を見せていました。

 


キヤノンマーケティングジャパンによるcrewwコラボ(2016年4月)
フレイ・スリー代表取締役CEO・石田貢さんのcrewwページ
株式会社Z-Worksのcrewwページ
Hmcomm株式会社「The VOICE JP」のcrewwページ
NTTデータのオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」の紹介
キヤノンマーケティングジャパン・野間隆運さんのcrewwページ

 
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creww初のミートアップイベント コラボ成功の秘訣を議論しました

creww(クルー)ではスタートアップのみなさんを対象に初のミートアップイベントを2016年7月7日に東京・渋谷の「ダブルトールカフェ渋谷店」で開きました。「やってよかったcrewwコラボ」「もう負けない!crewwコラボ必勝法+Q&A」をテーマに、ゲストとしてWarrantee(ワランティ)の庄野裕介さんとキッズスターの金城永典さんが登壇し、コラボ成功への秘訣や裏話を披露。参加した約20名とともに、ビジネスのあり方やcrewwでの活動を熱く語りました。

自らのサービスを俯瞰し、高いレイヤーで提案を

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Warrantee(ワランティ)の庄野裕介さん

七夕の夜19時に始まったミートアップイベントでは、crewwを代表して瀬川栄樹が「今夜はゆるやかな雰囲気で進みますが、深い情報交換していきましょう」とあいさつ。続いて、成功するコラボのあり方について、Warrantee(ワランティ)の創業者である庄野裕介さんがマイクを握りました。

Warranteeは、電化製品などの保証書をスマホのカメラで撮影すると電子化され、保証期間などの管理ができるサービスです。あらゆる製品の「アフターサポートにおけるプラットフォーム」を目指すというコンセプトは、crewwコラボにおいても高い評価を受け、相次いで大手企業と協業が決まるだけでなく、出資の話も複数社から舞い込んでいるといいます。

そんな庄野さんが、コラボにおいて重要な点として強調していたのが、自らのサービスや製品を俯瞰(ふかん)して見ることの大切さです。

「私たちの場合、単なる保証書の管理サービスと考えるのではなく、家電を管理するということは、車や家などの管理も可能ですので、資産管理につながります。さらにはCRM(顧客管理)にも使えるでしょう。捉え方一つで対応できるフィールドが広がりますので、今一度、自らのサービスを俯瞰して高いレイヤーから提案してみてください」とアドバイスしました。

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会場ではcrewwコラボにおけるリアルな話が披露されました

相手に読む気にさせる提案書をどう作るか?

さらに庄野さんは、これまでどんなコラボに応募し、どの会社に興味を持たれたのかという具体例を会場で披露。これらの経験をもとに、提案しやすい企業の見分け方について「将来ビジョンや課題が相手企業にあるかないかが重要。課題が明確でない企業と協業について話すことは非常に難しい」と明かしました。

相手企業の将来ビジョンや課題の探し方については、上場企業ならIR(インベスター・リレーションズ=投資家向け)情報を活用するのが最適だといい、「決算短信は読み解くのが若干難しいので、『決算ハイライト』などと書かれた決算の説明資料を読むのがいいでしょう」と紹介します。

さらには提案書の書き方についても言及し、「相手に読む気にさせるためには、とにかくタイトルが大事。世の中のホットなキーワードを入れると注目されやすい」といい、「論理立てて書くことが重要で、文章化が難しければ箇条書きでも構わない。悩んだときはcrewwのスタッフにアドバイスを求めるのも有効です」と具体的にアドバイスしていました。

まずはエントリーしないと何も起きない

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キッズスターの金城永典さん

庄野さんに続いて登壇したのは、キッズスターでアカウントエグゼクティブをつとめる金城永典さんです。森永製菓とのコラボから生まれた「キョロちゃん海の大冒険」などの独自アプリをはじめ、知育や教育支援のサービスで知られるキッズスターですが、最近は高齢者向け介護支援ソリューション分野にも進出。子どもと高齢者の両分野を得意とするスタートアップとして、大手企業からの注目度が高くなっています。

金城さんはこれまでcrewwで30回超にわたってコラボに応募した経験を披露し、「まずはエントリーしないと何も起きない。とにかく打席に立つことが重要です」と訴えました。そのうえで、提出した企画書について「テキストだけの企画書ではダメ。本気で企画書を提出すれば、踏み込んだ話に発展しやすい」とアドバイス。

一方、これまで大手企業とトライアルは行ったものの、その先に進めなかった経験も何度かあるといい、「相手に必要以上のリソースを求めると失敗しやすい。特に資金提供を求めると先に進みづらい傾向があると分かったので、その後は先方の反応を見ながらに変えた」と明かしました。

「最近は大手企業がスタートアップとの協業には慎重になっているイメージがあり、スモールスタートができるプランがないと始まらない」と述べ、「大手と協業することで、販路や人、施設といったものは調達しやすいイメージがあります。ただ、お金がからむと、ハードルは上がります」との印象を話しました。

普段は聴けないような濃密な話で盛り上がる

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庄野さんと金城さんの講演後、参加者からは次々と手が上がり、「crewwを通すことのメリットはどんな点にあるのか」「コラボに落ち続けたらどうすればいいのか」といった内容から、crewwのエントリーページや自己紹介ページの改善要望、「最近は大手とスタートアップの協業が大きな規模になりづらいのはなぜか」といった世の中の動向まで、あらゆる質問内容が飛び出しました。

crewwを活用することについて庄野さんは「決済権者へアプローチするにはcrewwは最強です。大企業とスタートアップの“出会い系サイト”みたいなものでしょうか」と会場の笑いを誘い、金城さんは「これまで営業メールを送り続けてきたのですが、きわめて非効率。crewwはひとっとびに担当者へアクセスできる。まるで、開けられない扉を開けてくれる存在」と話します。

一方、コラボに“連敗”した経験について金城さんは、「相手企業と継続して仕事ができることがゴールとすれば、エントリーした大半は“落選”ということになる。『何くそ!』という気持ちを持っていないと負けてしまう」と吐露し、庄野さんは「手抜きをしていないか否か原因を突き詰めることが大事、大企業は甘くない」と、自らを振り返ることの重要性を述べていました。

その後の交流会では、個別に細かな情報交換が行われ、お酒と食事を楽しみながら、普段は決して聴けないような濃密な話が最後まで交わされました。

crewwでは大手企業とスタートアップの橋渡しはもちろん、crewwに参加いただいているスタートアップ間においても、横のつながりが創出できる場も積極的に設けてまいります。ご参加いただいたみなさま、夜遅くまでありがとうございました。

 


Warrantee(ワランティ)・庄野裕介さんのインタビューページ
キッズスター・金城永典さんのcrewwページ


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大成功をおさめたセブン銀行crewwコラボ

2016年2月8日からエントリーが始まった、株式会社セブン銀行(以下セブン銀行、東京都千代田区、代表取締役社長 二子石 謙輔)による「crewwコラボ」の本社プレゼンテーションが3月23日、24日の二日間に渡って開催された。

 

「あの街、この町にもっと便利を。」をテーマに、セブン銀行とスタートアップが「新しい便利」を一緒に生み出していくことを期待し、本プログラムは行われた。セブン銀行が採択されたスタートアップに対して、順次試験的にサービス連携やマーケティングなどでの支援をするほか、業務提携や出資も視野に入れている。ここまでの選考を通過した、株式会社BairTail、ドレミングアジア株式会社、株式会社ギフティ、株式会社レアリスタ、株式会社Residence、タメコ株式会社の6社のスタートアップが、事業採択の判断の場となる本社プレゼンテーションに臨んだ。

本社プレゼンテーション
<写真上段左より>
ドレミングアジア(ドレミングアジア)株式会社 桑原氏
株式会社ギフティ (giftee)大曽根氏
株式会社BearTail(Dr.Wallet) 高澤氏
<写真下段左より>
株式会社レアリスアタ(Holiday Ticket)和田氏
株式会社Residence (Residence)岡村氏
タメコ株式会社 (Tamecco )キム氏

プレゼンテーションは、スタートアップが自社のサービス紹介をするだけでなく、実際にセブン銀行と連携してどんな事業を展開するか提案、ディスカッションするというもの。本社プレゼンにはセブン銀行代表取締役社長の二子石謙輔氏をはじめとしたセブン銀行の役員ら、総勢20名強が並ぶなか、セブン銀行社員で結成されたcrewwコラボ事務局の積極的なファシリテーションにより活発なディスカッションがなされた。

この活発なディスカッションの裏には秘密がある。事務局は社内に対し、事前に「自由奔放な意見、極端な意見など、通常では出ない意見は尊重」「提案内容、発言内容に対する批判はNG」「できないではなく、どうすればできるかという視点で考える」といった、新しいことに挑戦する雰囲気づくりを促した。

得てして業務委託先からの提案を待つような姿勢になりがちな大企業とスタートアップのディスカッションではあるが、今回はそれを良い方向に裏切り、各社1時間弱の持ち時間いっぱいを使い、提案はさらに具体的に、実現性を帯びたものにブラッシュアップされていく。さて、気になる採択の結果は?

本社プレゼンテーション

※crewwコラボとは、新規事業創出を目指したプログラムであり、本プログラムは下記の流れで行われていました。
・セブン銀行がスタートアップ企業に提供するリソースを専用ページに公開
・スタートアップ企業が利用したいセブン銀行のリソースを選択
・スタートアップ企業が専用ページから共同事業内容をエントリー
・crewwコラボシステム内で両者がコミュニケーションを重ね実現へ向け協議

※オープンイノベーションは自社の有する経営資源や技術に頼るだけでなく、社外からの技術やアイデア、サービスを有効に活用し革新的なマーケットを創造することです。
※スタートアップとは、独自の技術やアイデアによって、前例のないビジネスモデルを作りだし、既存マーケットに挑戦する成長速度の速い企業を指します。

 
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SENSORS IGNITION 2016 注目スタートアップの先端技術が集結!

crewwイチ推しのスタートアップをご紹介

日本テレビで土曜日深夜(日曜午前1時55分から30分間)に放送中の先端テクノロジーなどをテーマとした番組「SENSORS(センサーズ)」が大型イベント「SENSORS IGNITION(センサーズイグニッション)2016」を2月26日(金)に虎ノ門ヒルズで行いました。crewwでも、ユニークな技術開発を行っているスタートアップの皆さんにイベント会場への出展を呼びかけたところ、多くの方々にご賛同をいただきました。注目スタートアップが大集結した「SENSORS IGNITION 2016」のなかから、イチ推しのブースをご紹介します。

 

<Pick UP 01> オープンソースの可愛いロボットを作ってみよう!

株式会社プレンプロジェクト(PLEN Project)
展示内容:プリンタブルロボット「PLEN2(プレンツー)」
株式会社プレンプロジェクト(PLEN Project)
オープンソースロボ「PLEN2(プレンツー)」を持つ赤澤社長(左)

身長20センチ・重量450グラムほどの可愛らしいロボット「PLEN2」を展示していたのは、大阪市北区に本社を置くプレンプロジェクト(赤澤夏郎社長)。「自分で組み立て可能なオープンソースロボット」というのが大きな特徴で、プログラムや3Dデータはすべて公開されているため、そのデータと3Dプリンタを使って“完全自作”が可能です。「kibidango(きびだんご)」「kickstarter」などのクラウドファンディングでも大きな反響を呼び、多くの出資を集めています。

ロボットを作るには精細な“印刷”ができる3Dプリンタとプログラムの知識が必要なので、ちょっと敷居が高いな……と感じる人のためにはちゃんと「組立キット」も「完成品」も用意されています。3Dプリンタを持っている人向けにはモーターとコントロールボードのセットを販売中です。

株式会社プレンプロジェクト(PLEN Project)
3Dプリンタで「印刷」して組み立てることもできるので教育効果が高い

このオープンソースロボット「PLEN2」の活用が期待されているのが教育現場です。プログラミングの授業を行う学校が増えているなかで、ロボットを作りながら機械制御や電子回路などを学ぶことができ、さらに完成後はロボットで遊んだり、新たなプログラミングを加えて“育てたり”することも可能です。既に小中学校や高校での採用実績も増えつつあり、「面白いし歯ごたえもある!」と好評を集めており、これからの浸透に期待が持たれています。
(詳細はこちらhttps://creww.me/ja/startup/www.plen.jp

 

<Pick UP 02> “世界初”の超ユニークゲームはビジネス面でも有望

株式会社ピラミッドフィルムクアドラ(PYRAMID FILM QUADRA)
展示内容:脳波で動くクレーンゲーム「脳波キャッチャー」
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人の心を乱す(?)映像に心を乱さなければお宝をゲットできるものの、なかなか難しい!

体験者希望者の長い列が続き、ひときわ注目を集めていたのが、Webサイトの企画・制作や映像制作などを行う株式会社ピラミッドフィルムクアドラ(東京都港区、中島章社長)が開発した「脳波キャッチャー」。なんと、人間の脳波をキャッチしてクレーンゲームを行うという“世界初”の超ユニーク企画です。

プレイヤーは、「ニューロスカイ」という脳波計が埋め込まれたヘッドセットを付け、真正面に流れる映像を見るだけ……というゲームですが、画面には美味しそうな料理や、ちょっと変な画像、水着の女性などなど、人の心を乱すかのような映像が1分間流れます。興奮したら左、リラックスしていたら右というふうに、人の内心によってクレーンが動くのです。平常心でいられたら真ん中にあるお宝商品をゲットできるのですが、自分の心の動きがクレーンの動きに連動してしまうので、やっているほうはちょっと恥ずかしいかも。でも見ている人には結構楽しく、ニヤリ! としてしまいます。

株式会社ピラミッドフィルムクアドラ(PYRAMID FILM QUADRA)
ヘッドセットには脳波計が埋め込まれている

やる側も見る側も楽しいゲームですが、たとえば、観光地の風景や街並みなどを見てもらってどう感じるか商品デザインの好感度を測ってみるといったような形で、ビジネス面での応用も大いに期待できそうです。
(詳細はこちらhttps://creww.me/ja/startup/bwc.pfq.jp

 

<Pick UP 03> みんなを笑顔にしてくれる“人間カメラ”の神髄

メディアアーティストのエリック・シュウ
展示内容:人間カメラ「Touchy(タッチー)」
エリック・シュウ
「Touchy(タッチー)」をかぶっている人に10秒以上触れるとパシャリ!

香港出身で東京在住のメディアアーティスト、エリック・シュウさんを中心とするプロジェクトが開発したのは“人間カメラ”の「Touchy」。カメラを頭からかぶるという何とも風変わりなプロダクトで、実際にかぶってみると、昔のマンガに出てくるようなちょっと可愛らしいロボットのようになれます。

そう、これがTouchyの大事なところで、かぶると不思議な風貌になりますが、どこか親しみと驚きを与えてくれるので、「なに、なに? 誰がかぶってるの?」と近寄ってみたくなります。そして、かぶっている人の手や素肌に触れるとカメラのシャッターが開き、10秒間触れると、その場でパシャリ!と写真が撮影されます。そうして撮られた写真はなぜかみな笑っています。ここが人間カメラの神髄で、周りの人を笑顔にしてくれるのです。

エリック・シュウ
開発者のエリック・シュウさんも自ら会場でPR

会社での堅い会議なんかでいきなりかぶっていくと怒られそうですが、見知らぬ人が集まっている場で、みんなの表情が硬いなと思った時に使えば和むこと間違いなしです。アイスブレイクの力強い味方になるリアルなソーシャルデバイス。人が社会的な殻に閉じこもる状況を打ち破り、社会的な不安を癒すという大きな目的を持った開発がどう発展していくのか、今後に注目です。
(詳細はこちらhttp://touchtouchy.com/jp

 

<Pick UP 04> 新感覚「チェス」とiPad上で動くミニロボに興奮!

touch.plus
展示内容:SPEED CHESS(スピードチェス)&iPadPro専用ロボット「TABO(ターボ)」
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ミニカーを思い出させるようなロボット「TABO(ターボ)」はiPad上で動く

会場で目立っていたのが「touch.plus(タッチプラス)」のブース。インタラクティブコンテンツが得意な株式会社バスキュール(東京都港区、朴正義社長)と、ロボット開発などの技術で知られるプログレス・テクノロジーズ株式会社(東京都江東区、中山岳人社長)の2社がタッグを組んだプロジェクトがtouch.plusなのです。今回は、バスキュール単体での「SPEED CHESS」と、両社の強みを生かした「TABO(ターボ)」を披露しました。

SPEED CHESSでのチェス盤に使っているのは“60点マルチタッチ”と“高速応答性”を併せ持つ大型のディスプレイ。6種16個の駒ひとつひとつに1回動かしてから次に動かせるまでの時間をセットすることで、2人のプレイヤーがリアルタイムに駒を動かし合いながら敵のキングを追いつめていくことを可能にしています。「高次元な判断力と瞬発力が要求される究極のマインドスポーツを楽しめる」というのが大きな特徴の新感覚ゲームです。

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SPEED CHESSは究極のマインドスポーツを楽しめる

一方、「TABO(ターボ)」は、どこかミニカーを思い出させるようなロボットで、これがiPad上を動き回ります。単に動かすだけでなく、2台のTABOをiPadをタップしながら動かして対戦する「相撲ゲーム」を楽しむこともOK。TABOには画面と接するタイヤの付近に超電性プラスチックを用いた3点のタッチセンサが付けられており、これが画面と接することで、画面内のコンテンツと連動する仕組みとなっています。

ゲーム要素をふんだんに盛り込み、わくわく感が多数詰まったこれらの開発。教育現場などでどう活用されていくのかが楽しみなところです。
(詳細はこちらhttp://touch.plus/

 

<Pick UP 05> ガラス・和紙の魅力でフィギュアを彩り“対話”を図る

株式会社テクマク(TECHMAC)
展示内容:「FIGURE STAGE(フィギュアステージ)」
株式会社テクマク(TECHMAC)
愛でる気持ちで「FIGURE STAGE(フィギュアステージ)」の周囲で手を泳がせることが大事

京都市内の“町家スタジオ”に本社を構える株式会社テクマク(京都市上京区、北口真社長)の展示は、先端テクノロジーが詰まった会場で唯一、日本の和と伝統をミックスさせた“異空間”を見事に演出し、海外のメディアからも注目を浴びていました。

今回出展した「FIGURE STAGE(フィギュアステージ)」は、フィギュアを“愛(め)でる”ための空間を創り出すプロダクトです。20センチ四方のガラスで作られた“ステージ”は、和紙とガラスと鏡によって彩られています。LEDによる赤・青・水色・桃色・緑・紫・白など多彩な光がガラスと和紙を通すことにより、柔らかな暖かみのあるグラデーションとなってフィギュアを照らします。

株式会社テクマク(TECHMAC)
「FIGURE STAGE」のブースはマスコミにも注目を集めていました
※同時展示「未来都市(反重力都市 屏風)」:企画制作/(株)京屋吉星 作/John Hathway

FIGURE STAGEの最大の特徴は“愛でる”という部分。和紙で装われた箱状のステージ付近を両手で優しく撫でるように空中を泳がせると、ステージの色や明るさが繊細に変化するのです。いい加減な気持ちで単に手を動かしただけでは、あまり変化が起きません。あえて、手から情報を読み取るというアナログなアプローチをとることで、フィギュアと人間のコミュニケーションを図ろうとの意図があるといいます。また、音楽再生の機能も持っており、フィギュアに合わせたBGMを流すことも可能です。

日本の伝統文化である和紙や光の工芸技術の魅力によって、日本が生んだ新たなカルチャーであるフィギュアとの“対話”を試みる、そんな斬新な発想がすごい! 今後、国内だけでなく、海外市場にどこまで日本文化の神髄を伝えることができるのか。京都の地からテクマクの世界挑戦が始まっています。
(詳細はこちらhttps://creww.me/ja/startup/FIGURESTAGE

 

<Pick UP 06> 「アナログ黒板」をデジタルに変える画期的アプリ

株式会社サカワ/面白法人カヤック
展示内容:ハイブリッド黒板アプリ「Kocri(コクリ)」
株式会社サカワ/面白法人カヤック
スマホを通じ普通の黒板に何でも映し出すことができる「Kocri(コクリ)」

大正8年創業という日本を代表する老舗の黒板専門メーカーである株式会社サカワ(愛媛県東温市、坂和壽々子社長)と、IT技術を面白く活用することにかけては天才的な面白法人カヤック(神奈川県鎌倉市、柳澤大輔CEO)がタッグを組み、生み出されたのがハイブリッド黒板アプリ「Kocri(コクリ)」です。

従来の大がかりな「電子黒板」とは異なり、スマートフォンもしくはタブレットにインストールしたこのアプリとプロジェクター、「Apple TV」の3つがあれば、従来の黒板を「電子黒板」に生まれ変わらせてしまうという、教育界にとって画期的なサービスを会場でアピールしました。

電子黒板は便利ではあるものの、そのコストや操作性の面から今も普及率が高いとはいえません。とはいえ、授業の現場でインタラクティブな動きが欲しいとの声が多いのも事実です。では、今の黒板を使って、そのまま電子黒板にしてしまおう――単純だけどきわめて分かりやすい発想を現実のものとしたのです。

株式会社サカワ/面白法人カヤック
こんな難しい日本地図をチョークで書くのは大変ですが、Kocriで映し出せばカンタン!

スマホがコントローラーとなり、スマホのなかにある教材や動画などを黒板に映し出せることはもちろん、方眼紙や五線譜などを映し出し、その上にチョークで書くこともできます。チョークで書くのが大変な構文や図形などもパッと黒板に映し出すことができるので、先生にとっては授業の幅が広がり、濃密な内容となりそうです。

漢字の「トメ、ハネ」を表現するためには、電子黒板では難しく、チョークで書く黒板が欠かせないと言われています。学校に不可欠な「アナログ黒板」を一気に電子化してしまう、そんなアプリ。学校現場で喜ばれることは間違いなさそうです。
(詳細はこちらhttps://creww.me/ja/startup/kocri