mana.bo

手のひらに先生がやってくる「スマホ家庭教師」


株式会社マナボ 代表取締役社長 三橋 克仁

学習時にスマートフォンを通じて質問すると、全国各地にいる大学生の“チューター”がリアルタイムで教えてくれるスマホ家庭教師「mana.bo(マナボ)」。教育界に革新を起こすサービスとして、業界内外の大手企業から熱い注目を浴び、次々と提携や協業を成立させている。株式会社マナボ(東京都渋谷区)の三橋克仁氏に、サービスの未来像や大手との提携について聞いた。

 

誰でも高度な指導を安価に受けられるサービス

—— スマホ家庭教師「mana.bo(マナボ)」は、スマホさえあれば、誰でもすぐに高度な指導が安価で受けられるというコンセプトは画期的です

自社で展開する「mana.bo」に加え、ベネッセコーポレーションさんと共同で「リアルタイム家庭教師」という名で2014年4月からサービスを提供してきました。両方ほぼ同じ内容です。

専用アプリをダウンロードし、教科書や参考書などをカメラで撮影して送信すると、チューター(個人指導を担当する教師)である大学生からチャットや音声通話、ホワイトボードを通じて指導が受けられるという仕組みです。問題の解き方だけでなく、勉強法や試験対策、学校や学部選びといった相談も受け付けています。
土日祝日を含め毎日19時から23時まで利用ができ、月に1時間利用いただける基本料金プランは3,500円です。利用時間によって追加購入も可能です。

教える側のチューターは、東大や早慶、国公立などの現役大学生や医学部生などを中心に1,800名以上が評価やプロフィールとともに登録しており、ユーザが自分に合いそうな人を自由に選べます。もちろん、自分が目指す大学や学部に在籍している人に指導をお願いすることもできます。

2015年9月には「東大家庭教師友の会」を運営する株式会社トモノカイさんと業務提携したので、これからチューターの数を増やし、質をさらに上げていく計画です。

mana.bo

世界的なサービスを肩を並べるユーザビリティのための努力

—— 三橋社長は東大大学院の工学系研究科時代に、受験生向けのコミュニティ「東大ノート」を自ら開発した経験を持つなど、マナボは技術者集団というイメージがありますが、mana.boの開発時に技術面で苦労した部分はありますか

インターネット上からリアルタイムで指導を行う、という環境を築くためには、チャットと音声、ホワイトボードがシームレスに繋がる必要があります。多くの人が同時に接続した状態であっても、快適なレスポンスを確保するとともに、生徒側の通信環境も考慮しなければなりません。こうした技術的な課題をひとつひとつ解決してきました。

中高校生のユーザからは、LINEやFacebook並みのレベルで快適に使える環境を当然のように求められます。我々はわずか20名ほどのスタートアップですので、難易度はきわめて高いのですが、そのクオリティに近づけるよう懸命に努力を続けています。

機能追加や改善は常に行っており、現在持っているアイデアだけでも300近くあります。実際に70ほどでは要件定義を行っていて、うち20は実装へ向けて動いているところです。

 

—— mana.boの新たな機能としては、どのような構想を持っていますか

過去に指導を受けた際の音声やホワイトボードのデータをいつでも再生できるようにしたいと考え、開発に取り組んでいます。

また、ホワイトボードに手書きされた文字や図表などのデータを言語化することで、過去にどのような分野のどんな問題で指導が行われたのかということが把握できるようになれば、ユーザの方が投げかけた質問に対し「過去にこんな形での指導が行われています」とレコメンドも可能です。

これまでに10万問の指導実績が蓄積されていますので、中高生向けの教育プラットフォームとして、これを無料で提供できるようにしたいですね。

——マナボが開発した「リアルタイム指導」の仕組みは、中高生向け以外にも展開ができそうです

医療分野や社会人の教育分野など、さまざまな企業からシステムを活用できないだろうか、とのご相談をいただいています。

ただ、われわれには「出自に関係なく、誰もが勉学で道を切り拓くことのできる世界を創る」という大きな目標を達成しなければなりませんので、中高生の教育分野以外へ進出することは今のところ行っていません。

 

スタートアップならではの世界観を伝えるための第三者としてのCreww

—— Crewwに登録をいただいていますが、どのようなことを期待していますか

KDDIのベンチャー支援プログラム「∞ Labo(ムゲンラボ)」の3期生(2013年)なのですが、そこを通じてCrewwを知り、登録をさせていただいています。

Crewwを通じ、サービスや会社の認知度向上や、優秀な人材獲得という面で期待を持っているところです。

 

—— ベネッセをはじめとした大手企業との提携や協業が多いマナボですが、大きな企業と仕事を行ううえで、どのような点に気をつかってこられましたか

2012年からベネッセさんと仕事をさせていただいていますが、サービスを共に開発するうえで、法律やセキュリティ面では苦労もしましたが、こうした経験のお蔭で大手企業の感覚が理解できるようになりました。

当然ですが、大手企業はわれわれのようなスタートアップとは文化やスピード感も異なります。法令順守の姿勢がより強く求められるため、サービスを行ううえでは法務的な部分から厳しい制限を受けることもあります。そうした感覚を尊重しながら、ともに歩み寄る姿勢が重要だと思いまっています。

また、事業部門と法務部門など、会社内の組織で見解が異なることもありますので、どこで折り合いをつけるかの判断が大事になってきます。

mana.bo

—— 大手企業とのコラボレーションをどのように切り拓いていくべきかに悩むスタートアップが多いのも現状です。最前線で交渉を担ってきた三橋社長からぜひアドバイスをいただけませんでしょうか

「もしかしたら、この人たちはすごいことをやるかもしれない」と思ってもらえるように、スタートアップが実現したい世界観をストレートに伝えることが重要なのではないでしょうか。

最初は組織も小さく、資金も少ないスタートアップですが、目指すべき世界観を伝えることで、「今はまだない未来」に期待感を持ってもらうことがまず大事だと感じています。

—— ありがとうございました

取材先:スマホ家庭教師 mana.bo (マナボ) https://mana.bo

 


AR(拡張現実)とウェアラブルで テクノスポーツの市場を切り拓く
37歳、背水の陣で挑んだクラウドソーシング事業で目指す世界